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アリスの恋

アリスの恋

ALICE DOESN'T LIVE HERE ANYMORE

113

じゃむとまるこ

4.0

なんと!スコセッシの女性映画。

私のレビューは映画館鑑賞3割、あとはレンタル&DVD購入5割、それから図書館コレクションレンタルが2割程度。 図書館コレクションは、アカデミーやカンヌ、ベネツィアなどの受賞作が充実しています、そんなこともあり旧名作のレビューが多いのですが、本作もそんな中の一本。 マーティン・スコセッシ監督が『タクシードライバー』でブレイクする2年前の作品、まだ32歳の若手監督だったスコセッシ氏が大女優エレン・バースティンの後押しもあって手がけた映画のようです。 今の骨太く男っぽいスコセッシ監督の作風からは想像できない女性の自立や成長を描いたロードムーヴィー、エレン・バースティンありきで作られたような女性映画であり、本作でバースティンはアカデミー主演女優賞を獲得。 1974年制作ですのでアメリカンニューシネマが映画界を席巻していた時代、本作もその一本と言ってよいかもしれません。 この時代独特の青臭さを感じてしまい、今となっては新鮮さもなく古いな~と思ってしまうのです、しかし、スコセッシ監督独特の切れの良さ、音楽の使い方の上手さも感じる映画です。 30歳代半ばのアリスはワンマンな夫と暮らす平凡な主婦、少々の不満があっても家庭を守り家族に尽くすのが女の幸せと思っていましたが、ある日突然夫が事故死。 生活のめどが立たない彼女は生意気盛りの12歳の息子とともに故郷に帰る旅に出ます。ただひたすら車を走らせるだけでなく働きながらというところが面白い。 若いころ歌手の真似事のような仕事をしていた経験を生かしバーの歌手の仕事にありつきますが、うまくいかず、結局一番安直なダイナーのウエイトレスとして働くことに。 ウエイトレス仲間との反目や友情は女性ならではの人間関係が魅力ですし、日本のウエイトレスとはかなり状況が違うのも興味深いです。 生意気盛りの息子との母子関係も日本ではこうはいかないと思われる対等に人格を尊重するところは、考えさせられるものがありました。 そんな中でも若い男に言い寄られたり(大変な暴力男で、最初の優しさとは別人のように豹変)これが何とハーヴェイ・カイテルではありませんか、びっくりする若さですが、そんなに変わっていないんです、そこもびっくり。 牧場主の男に惚れられるも一歩を踏み出せない女心も説得力があります、しかし牧場主さん、かなり素敵な男性、ハッピーエンドの予感がします。 結局女性の自立は無しなのですが、人間的に成長して幸せを手に入れるのでしょう。 牧場主の男性役はカントリー&ウエスタンの大御所クリス・クリストファーソン、得な役回りです。 息子の友達に何とジョディ・フォスターが、彼女はこの二年後に『タクシードライバー』で少女娼婦アイリス役で一躍スターになるのですが、本作でも実に個性的で存在感がありました。 今となっては豪華な配役が見どころでしょうか、当時のカントリーなアメリカも興味深いものがありました。

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