ここから本文です

清作の妻 (1965)

監督
増村保造
  • みたいムービー 15
  • みたログ 93

4.23 / 評価:44件

増村と新藤兼人との相性

  • じゃむとまるこ さん
  • 2010年10月5日 11時09分
  • 閲覧数 767
  • 役立ち度 19
    • 総合評価
    • ★★★★★

増村作品4作鑑賞。
初めての☆4個。
時代設定はもう大昔と言って良い、日露開戦間近のころ。

増村は若尾の魅力を十分知り尽くしており、本作でも増村の期待に応えた情念岩をも通す、愛の深さを演じて、増村映画のヒロインを体現しているのですが。

新藤兼人氏の脚本が、出張りすぎというか、新藤的な「反戦映画」にもなっていて、観客は、増村の”女の情念”と新藤の声高な”反戦”の」間で困惑するのです。

あの頃の日本は貧しかった、貧農の娘は遊郭に売られたり、妾奉公に出されたり。
妾上がりで村八分のかね(若生)。
そこへ兵役に行っていた理想を掲げる模範青年清作(田村高廣)が帰ってくる。
偏見のない清作は村八分のかね一家にも気に懸けてくれる。
そうこうするうちにかねの両親は病で他界、ひとりぼっちになってしまったかねと清作は恋に落ちる。
この時代の恋愛結婚など許させるはずもないのだが、真面目、純情な清作の思いは一途である、また、孤独を生きてきたかねの清作への思いはただならぬ情念の深さである。

日露戦争開戦、突撃につぐ突撃、死屍累々の情報に、もはや生きて会えない恐れに駈られたかねは、5寸釘で清作の目を突き刺す行為に・・・
清作の出征は免れるが、盲目になり、非国民とののしられる身に、かねへのうらみを募らせる。
かねは2年間の懲役に服し、出所、戻る先は清作の元しかない。
清作の恨みは大きくいったんかねの首を絞めるが・・・・
挫折を知った清作の心は以前とは違う、かねの孤独が心底理解できる男に変わっていた。
一層の深い絆で結ばれる二人。

「刺青」での増村、新藤のコンビネーションは素晴らしかったんですが、本作では二人の考え方の違いが裏目に出ていて、新藤色が強く、村人たちの俗っぽさにも少々うんざりします。

出来は悪くはないのですが、増村映画を期待している身としては、期待はずれ。
新藤の脚本に喰われてしまって、残念な出来です。

新藤兼人氏は好きな脚本・監督さんですが、増村映画ですから、新藤氏の思想はご自分の映画で仕事をされて、増村氏には思う存分自分の映画として表現して欲しいと思った、困惑の出来でした。

本作も、カラー以上の美しさを感じる、モノクロの映像です。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 勇敢
  • 切ない
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ