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社長千一夜 (1967)

監督
松林宗恵
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3.40 / 評価:5件

邦画全盛期であった昭和30年代回顧嗜好が

邦画全盛期であった昭和30年代にスポットがあたっている。美人女優陣と、芸達者な喜劇人たちが共演する邦画全盛期ならではの豪華版。実はこの社長シリーズ、松竹の「男はつらいよ」に抜かれるまでは、全30本で「もっとも作品数の多いシリーズ」で、ギネスに載っていたそうだ。恐らく、現もは2位には付けている筈。
源氏鶏太作のサラリーマン喜劇『三等重役』正続2本(1952年)がシリーズの源流。社長が進駐軍によって公職追放されたので完全な実力の無いサラリーマン社長(三等重役)を描く伝統である。
三等重役とは、第二次世界大戦終戦後、戦争協力者のレッテルを貼られて追放された会社経営者に代わって、急に経営者になった人たちを指す言葉である。第二次大戦前までは、日本では経営者と社員は隔絶されていて、経営者は会社の所有者と同義であった。ところが、戦後パージにより、経営者としての教育を受けていないサラリーマンが突然経営者となった。経営者として準備がされていない人たちが雨後の筍のように重役になったものだから、戦前の一流重役に対し、三等重役というのである。占領軍の政策によって上の上級幹部が全て追放されまして、本来なら重役などになる筈でなかった人たちが重役になって、日本の企業を担いました。その人たちの事をその当時の流行語で「三等重役」という言い方をいたしました。一等でも二等でもない、という意味であります。世間は分かっていた。この言葉を作った人はわからないが、この言葉が流行語になったのは、源氏鶏太の「三等重役」がベストセラーになってからである。源氏鶏太の初期の作品は、下積みのサラリーマンの哀愁を描いて優れたものが多いが、その哀歓を社長にまで拡張し、戦後の日本では、社長といえどもサラリーマンに過ぎないことを面白可笑しく描いたものが「三等重役」である、とも言える。

考えてみれば、その前の明治維新というのも、田舎の下級武士たちがやった維新であります。その当時、江戸幕府の官僚の方がよほど優秀で、いろんなことを知っていたに違いありません。戦後の三等重役、戦後の日本をつくったのもそうですが、そういう、いわばプロでない人、あるいは一流だと思われなかった人たちが世の中を変えてきたというのが日本の近現代。

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