ここから本文です

上意討ち 拝領妻始末 (1967)

監督
小林正樹
  • みたいムービー 23
  • みたログ 170

3.93 / 評価:81件

主題の変化

「切腹」を観た後、あまりの衝撃でその流れで小林正樹監督を選び、観てみました。
今回も父性と愛とお上がメインテーマでしたが内容としては「切腹」に一本でした。

夫婦に「された」時もお上の都合、そして引き離される時もお上の都合。
お上から側室を解かれたいちをいやいや息子の嫁に引き受けた笠原伊三郎。
意に反し、夫婦になった息子夫婦(加藤剛と司葉子)はやがて本当の夫婦となり愛情深い家族となり、しばしの幸せを感じます。
この光景は本当に暖かで柔らなものを感じます。と、同時にこれからの展開の闇の深さも予感させます。

そして版で押したようなお上都合の展開に。。そこには豊かに実った夫婦の情愛などまるでお構い無しに今度は世継ぎの母として嫁を元の大奥に戻します。
普通の藩士ならば仕方無いと無念の涙を流しておしまいなのでしょうが
いやいや婿養子に入った自らの身の不憫を照らし合わせるとここは黙っていられない父親が出てきます。

うーん。。でもそこからの展開が少ししつこいかな。。
伊三郎はここまでやらねばいけなかったのか?
そして彼が求めた結果とは一体?と考えるとそもそもこの時代に有って無理だったのでは?
とすると最後は見えていた?となると。。と思いあぐねると段々良く分からなくなってしまいました。
現代社会に置き換えると父親が息子夫婦の将来に口を出しすぎ??の感も。

そうは言ってもさすがの小林正樹監督。
人間を描いたら素晴らしい。。という事でこの作品も高い評価を貰っているのでしょう。

三船敏郎。土着のイメージが多いので婿養子の藩士の台詞回しには無理が有りました。
仲代達矢。この人の存在感は凄いものですが静の仲代、動の三船ならば役が逆が良かったかも。
司葉子。あまり作品を見たことが無いのですが強く健気ないちにはぴったりでした。

そして何より。若き日の市原悦子演じるきくは良かったです!!この存在がこの映画の引き締めに一役を担っていました。優しさの権化のような振る舞いに心が洗われてました。

演出とカメラワーク、緊張感溢れて今回も素晴らしかったです。

ただ、主題が始め(息子夫婦への愛)と終わり(上意に対する正義)で意味が変わって来てしまったのが少し残念でした。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 悲しい
  • 勇敢
  • 切ない
  • かっこいい
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ