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上意討ち 拝領妻始末

細野悠司

5.0

凄まじい。

刀で斬るシーンが、これほどリアリティーをもって感じられる時代劇はあまり観た事がない。殺陣の前の、敵を待つ緊張感が生々しくて、本当に武士の生き様を、ドキュメンタリーで観ているかのよう。 三船敏郎演じる主人公が、不条理に耐えて耐えて耐え忍び、最期怒りを爆発させる様は、実際に小林正樹監督の撮影の方法に憤りを感じていたらしく、本物の怒りがあり、圧倒的なカタルシスがある。 主人公がどうしようもない悲劇の渦中にあるが、死地に赴く中で、生涯、最も生きた実感がするというのは、武士として、皮肉以外のなにものでもない。

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