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夜のひとで

bakeneko

5.0

ネタバレカメラワークは凝っているんだけれど…

黒澤作品『素晴らしき日曜日』や『酔いどれ天使』の脚本家:植草圭之助の晩年の脚本を三田佳子主演で映画化したものですが、官能と理性の間を動揺するヒロインを描くには舌足らずな作劇ですし、映画の冒頭で決着点を見せるなど変な構成が目に付く珍作となっています。 京都の財閥:柿崎家に後妻として入った雅子(三田佳子)は老齢の夫が急逝した為に後家となる。遺言によって後家として貞淑に暮らせば莫大な財産を分与することが公表され、密かに好意を抱いていた堀川(細川俊之)を義理の娘の千賀子(しめぎしかこ)と結婚させて諦めようとする最中、猟色家のカメラマン:佐伯(高城丈二)に誘惑されて肉体関係に惑溺するが、純粋で一途な堀川の想いにも心を動かされて…という官能サスペンスで、肉欲と恋に揺れ動く女性の二面性を描こうと、逆行や暈しを採り入れた映像や官能シーンを盛り上げていますが、肝心のヒロインの心理が今一つはっきりしません。 多分フランス映画―「危険な関係」(1959年)や「昼顔」(1967年)辺りを狙ったけれど構成が崩れてしまった女性官能サスペンス(「太陽がいっぱい」を意識したヨットセーリングも出てきます)ですが、27歳の三田佳子は綺麗ですよ♡ ねたばれ? 幾ら財閥でも条件によって正妻に財産を与えない遺言が全面的に通るのかなあ?

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