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なつかしき笛や太鼓 (1967)

監督
木下恵介
  • みたいムービー 3
  • みたログ 6

3.50 / 評価:4件

9人制バレーボールの魅力

  • bakeneko さん
  • 2010年10月27日 16時16分
  • 閲覧数 656
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

瀬戸内海の小さな島を舞台にした子供達と新任先生の交流を描いた「二十四の瞳」の姉妹編的な“ヒューマニズムドラマ”の傑作ですが、バレーボール試合の臨場感が素晴らしい“スポーツ映画”の傑作でもあります。

え~、スポーツは日々進化しているものですから時代と共にルールが変わって行きます。私的に一番戸惑ったのが(6人制)バレーボールのルール変化で、1999年のラリーポント制の導入によって“白熱した粘性のサーブ権の取り合いが無くなって”別種のスポーツになった様な気がしたものであります。
この戸惑いは最近昔のバレーマンガの復刻版を読んだ若い世代も同様で、昔のバレーボール題材作品=“アタックNo.1”や“サインはV”のルールが変!と感じる様で、お互いに“自分たちのルールの方が良い”と譲らないところがあります。
その一方で9人制バレーボールは日本独自にルールが定められている為か、現在でもルールが変化していないところがあります(国際試合が無いからでしょうね)。

本作は、バレーボールを題材にした:昔流行った“熱血先生によるスポーツ指導もの”の先駆け的な映画ですが、現在では“突っ込みどころ”に成っている“暑苦しい精神論&根性礼賛”的展開はありません。寧ろ、飄々としたユーモアが全編を覆っていて、生きること自体が大変だった頃の物語である「二十四の瞳」より格段に穏やかな騒動と奮闘に心が温まります。
そして、“自分たちがささやかな自信を持つ為に”戦うバレーボールの試合描写は、等身大の“中学生の地区大会”を描いて見事な臨場感を出しています。
つまり、一般的にスポーツの映画の試合を描く場合には、
動き回るカメラでカットバックを駆使して超人的なプレイを見せますが、
本作は逆に、
ロングショット中心の据え置き映像で、素人児童の未熟な技術での試合を見せています。
そして、このあたかも運動場で眺めているかの様な“生徒達のリアルな下手さ”が観客をして“奇跡的に繋がるラリーやレシーブに拍手し”、勝負所での“サービスオーバーやお見合いミス”に落胆させて、あたかも現実の地方大会の試合会場にいる臨場感に手に汗握る感覚を体験させてくれます。
また、本作が遺作となった名カメラマンの楠田浩之の瀬戸内海の船の群&航行する移動撮影も“懐かしい海の碧さ”を見せてくれます。

全年齢的にお薦めの誰が観ても面白く愉しい作品で、この時代に日本ではバレーボールがとても盛んであったことが東京オリンピックでの女子バレーの優勝に繋がっていることが分かる映画でもあります。


ねたばれ?
白熱する試合中に挟み込まれる、浦辺粂子のお婆ちゃんと孫のショットが見事なアクセントになっていて素敵です!(木下恵介って本当に凄いなあ)

詳細評価

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