作品レビュー(17件)
- Karuna
5.0点
久々に再鑑賞しました。 やはりすごい。 テーマがテーマなので万人受けはしないでしょうが、間違いなく傑作。 濡れ場シーンばかり取り沙汰されますが、これはそういう映画ではなく、立派な芸術作品です。人間の尊厳を問う傑作。 私は不倫を肯定しないし、したこともない。するつもりもない。むしろ潔癖でそう言った行為を忌み嫌っている。 しかし、なぜかこの2人には共感というと語弊があるが、お互いに抗えない引力で引き寄せられていることが分かるというか、なぜか納得してしまうのだ。 過去に深い傷を負ったアナの闇はスティーブンのような余裕のある男にしか癒せない面があったのかもしれないし、 情熱以外全てを手にした男が最後に出会って魂の全てを差し出す相手としてアンほど相応しい相手はいなかっただろう。 起きたことを思えば息子や奥さんは本当に不憫だし、言い訳のしようもない。2人の罪はこの上なく重い。 しかし、スティーブンはいわゆるダメ男ではなく、奥さんも言うように悪人ではない。何よりジェレミーアイアンズはこう言う男を演じさせたらぴかいちでなぜか哀れすら誘うのだ。 アンも目を瞑って飄々と生きる女ではない。言わずもがな、ジュリエットビノシュが圧倒的な魅力を放ち見るものを唖然とさせながらもやはり彼女もなんだか哀れを誘う。 人間の悲しき業とか、弱さとか、男女の行き着く先や官能を描き切っている。 演技はもちろん、音楽、脚本、絵全て文句のつけようがない。 私も結構色々な経験をしてきたから、若い頃初めて観た時もも衝撃を受けながらも傑作だと感動しましたが、あれから年月を経た今はさらに胸を打つものがあった。 似たような経験をしているからかもしれません。(不倫ではなくそれ以外の部分で) これは年齢を選ぶ映画ではありません。 受け取り手の人生経験、人生の重みを問う映画。 あまり評価が高くないのが残念ですが、またしばらくしてから観たいです。 ジュリエットビノシュは大好きな女優さんですが、やはりすごい。未見作品をもっと観たい。 久々に見させてくれたユーネクストありがとう。 U-NEXTにて
- 一人旅
4.0点
ルイ・マル監督作。 アイルランド出身の女性作家:ジョゼフィン・ハートによる1991年発表の同名小説をフランスの名匠:ルイ・マル監督が映画化した英仏合作の恋愛悲劇で、ジェレミー・アイアンズ&ジュリエット・ビノシュが激しく惹かれ合う男女を熱演しています。 家族と平穏に暮らしている英国の有力国会議員:スティーヴンと、編集者の息子:マーティンの婚約者:アンナの邂逅と禁断の愛を描いた作品で、妻子がありながら息子の婚約者と肉体を貪り合う関係を築いた男の破滅までの道のりを官能的な性描写をエッセンスにして映し出しています。 本作を端的に言ってしまえば“不倫映画”で、息子の婚約者を並々ならぬ性的欲望の対象として見てしまった男を描いたお話です。只の不倫ではなく、その相手が息子の愛する女性であることが倫理観を大きく削ぐ行為となっていて、国会議員という社会的な立場が非常に高く、その上家族に恵まれ裕福であるにも関わらず、息子の婚約者を出逢った瞬間から肉体的&精神的に愛し尽くしてしまった男が自ら辿っていく哀しい末路を描いています。 主演の英国人俳優:ジェレミー・アイアンズの初老ならではの柔らかな物腰と女と激しく求め合う動物的本能に身を委ねる姿が鮮烈なコントラストとなっていて、彼より一回り以上若いフランス人女優のジュリエット・ビノシュが本心の読みにくい魔性のヒロインを官能的に演じ切っています。
- fra********
1.0点
まぁとにかくヒドイお話。男も女もサカリのついた猫みたいだ。頭の中はあのことで常にいっぱいいっぱい。理性などクソ食らえ。これ、人生経験積んだら理解できるお話なのかねぇ。時間の無駄だった。 あと付け加えると、ジュリエット・ビノシュは美人だけど、この映画ではレズっぽい。
- ノエル
5.0点
魂で惹かれ合う 肉体的に惹かれ合う ある程度人生経験積んだ者にしか わからない作品です。 こういう出逢い あるものです。
- 豊崎久美
3.0点
いつも、男の人が社会的地位まで失うと「風俗へ行けばいいのに」 と思ってしまう。 誰でも似たようなもんでしょ・・・って事はないのか。 老人になったら、後悔するよ、格好つけているけれど。 ジェレミー・アイアンズは、おっさんでも三つ揃いのスーツが似合っていて インテリっぽく女に、モテそうだね。 ビノシュって、そんなにいいのかな。 風俗へ行こう、何も失わないです。
- lam********
5.0点
そつなくこなしてきた男の人生に唯一足りなかったのは生きる情熱。 完璧な家庭で育った男の息子は悲しみや傷を知らない。 同じ女(息子の婚約者)によって父と息子はそれらを手にしたが、息子の婚約者と父親の許されない恋の結末ははるかに残酷なものだった。 人が求めるものはけして形のあるものばかりではない。それを描ききった映画だ。 理解力の乏しい子供には、ただの不倫映画にしか見えないかもしれないが、ある程度の年齢と経験がある人には、感性に打つものがあると思う。
- arl********
2.0点
J. ビノシュって人生を投げうってしまうほどいい女(ファム・ファタール)なのかな?
- Angie
1.0点
どうしてそうなっていきなりベッドインよ~。 で、すぐに骨抜きにされてグダグダ。 もう呆れるというか情けないというか。 胸が悪くなって途中から早送りで見ましたよ。 奥さんはとても良かった。 でも、あとはね~。 ラストも予想通りだったし、後味の悪い作品でした。
- ☆希望の星☆
4.0点
愛欲で結構ですが… いい俳優で撮ると浮気も芸術の香りがする さすがルイ・マレどのシーンも美しい ジュリエット・ピノシェはまだ2作しか見ていないけど 魅力的で 監督がこの女優でと創作意欲が沸くのがわかる 社会的な名誉が手に入ってもまだ愛を求める? 現実的に生きないと痛い目に会います 女は強いんです あのお母さんの娘だもの!
- oce********
2.0点
たまたま不倫した相手が実の息子の婚約者であることが分かり、家族間や相手とのやり取りが泥沼化していく情事のドラマ。 別に不倫劇は映画でよくあるのだから構わないが、この作品はそのきっかけが全く見えてこないから悩む。 出会って直ぐに関係を持つのだが、何でそこまでのめり込ませるのか理由が一切ない。 だからその後何度も関係をもつのも不自然に見えてしょうがない。 ジュリエット・ビノシュにそこまで魅力を感じられないのも痛い。 息子の処遇だとか、不倫の代償という意味でも何だか置いてけぼりにされた印象しかない。
- nor********
4.0点
大人の映画、というジャンルがあるなら、まさにこれこそが。 始終、主役のジェレミー・アイアンズ様(どんな鍛え方してそんなにセクシー)に、 「やめときって!」「いいかげんにしときって!」 と突っ込みながらも、ラストを確かめずにはいられない。 人生って、一寸先は闇ってよく言いますが、 その闇が、あなたを満たすべき唯一の女性(だと少なくともその時点では思える)なら、 それでも身を投げて突き進む気力がありますか? …私は…ちょっとそんな淵に立たされたくないです(神様お願い)。 愛を奪われる奥さん役のミランダ・リチャードソンさんが とてつもない存在感。 この女優さんの夫婦での対峙シーン、本当に、凄みあります。 鑑賞後、どんなセクシーな場面よりも、印象に残りました。
- yuk********
5.0点
恋とは理屈なく動物的な本能で相手を求めることだと思いますが、 この作品はその「恋」の本質を描ききっています。 観客に覚悟を強いる作品です。 たとえ覚悟をしても、 鑑賞後には誰しもが「ダメージ」を受けていることには間違いないのですが。
- spr********
5.0点
Jeremy Ironsの表情に何度も胸が締め付けられました。 年を重ねてから訪れる本物の恋は、正直言って辛いんですよ。 何故か若い頃よりも純粋で、情熱もハンパではありませんからね。 成就できない切なさを見事に表現してくれた、素晴らしい映画でした。
- lem********
3.0点
ネタバレ愛欲大ダメージ
このレビューにはネタバレが含まれています。 - ker********
5.0点
ストーリー自体は珍しくないけど、初見以来ずっと心に 残っている作品です。 地位ある男が、よりによって一番惚れてはならぬ相手に 魅かれる。止められない気持ちも無理からぬこと。 最後は文字通り全てを「失う」のですが、失ったあとの 男の姿が作品の中で一番いい。 全てを失ったことも、彼女の裏切りも、全て受け容れて。 「諦念」というか、そこに知性がじわじわ広がっていて。 そこが単なる不倫映画と違う所以なんでしょうね。 この男優さん、かなりいい。
- gog********
4.0点
予想外の展開に驚いた。 最初は淡々としていて、まるで「アンナ」のよう。 息子マーティンの恋人アンナに想いをよせる「男」 もう父ではない。ただのスティーブン。 世間がどうとか、もう関係ない。 だからなんだ?! 映画にするほどか?!と感じ始めた矢先の出来事は「転落」 真実と知ったマーティンはもう足元フラフラ~ 真実とは。 絶対的真実と相対的真実とがある。 今回の場合はどうか。 これは罪なのか?それとも違うか? 想いがある時点ではまだ罪ではない。 ”繋がってしまったら”罪だ。 真実には要因がいくつもあって、 その時にあった要因を選べることができるのなら その真実は、相対的真実。 真実になる要因が選択できず、1つしかない場合 その真実は、絶対的真実。 マーティンにとっては絶対的真実・・・ スティーブンにとっては相対的真実・・・・? だから、父は息子がいなくなっても一人で生きていけるんだろう。
- dp9********
3.0点
レディコミ並みのストーリー展開だけど、主演の2人がやることで浮いた感じはない。