樹氷のよろめき
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作品情報上映スケジュールレビュー

あらすじ・解説

解説:allcinema(外部リンク)

作品レビュー(2件)

悲しい20.0%不気味20.0%絶望的20.0%スペクタクル20.0%切ない20.0%

  • dqn********

    3.0

    精神的愛と肉体的愛

    北海道を舞台に、女と恋人、女の元恋人が繰り広げる三角関係のドラマ。「水で書かれた物語」以降、日の光や暑い夏のイメージが強い吉田作品であるが、本作はタイトル通り雪・氷の世界が展開。札幌→支笏湖→室蘭と移動し、ニセコで広がる一面の銀世界は見応えあり。室蘭の製鉄所の場面での、下から吹き上げる煙の不気味さも吉田監督らしい。 テーマは、「精神的愛と肉体的愛の複雑な関係」だろうか。かつて男の不能が原因で別れた百合子(岡田茉莉子)と今井(木村功)。二人に欠けていたのは肉体的絆。時を経て再会した百合子と今井は徐々に関係を取り戻し、雪のロッジでついに肉体的に結ばれる。肉体的絆を成就したことにより、かつてない深まりをみせる二人の精神的絆。 対照的に肉体的な繋がりはありながらも、百合子は恋人・杉野(蜷川幸雄、若い!)に精神的な絆を見出せない。その杉野も百合子との心理的繋がりの薄さを感じているのだろう、今井に対して百合子との肉体的繋がりを勝ち誇りながらも、二人のかつてのプラトニックな愛の形に嫉妬する。そしてそれが原因で、ついには不能に陥ってしまうのだ。精神的繋がりの欠如がもたらす肉体の不能。 精神的愛と肉体的愛の複雑な絡まりあい、それに翻弄される人間たち。ラスト、百合子の心が離れたことに絶望し、杉野は雪の崖から飛び降りる。冷たくなった杉野の遺体を見て慟哭する百合子。それは不毛な愛に散った男に対する悲しみの涙なのだろうか。 終始流れる単調なテーマメロディが煩わしく、それがマイナス点。「よろめき」ってタイトルは時代を感じさせますね。

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    5.0

    愛の無根拠

    1968年。吉田喜重監督。高校教師の男(蜷川幸雄)と美容室を経営する女(岡田茉利子)は旅行に出かけるが、行きずりの関係から始まった愛はすでに煮詰まっている。女は妊娠したと思いこんでかつての恋人(木村功)に堕胎への付き添いを頼むのだが、、、という話。ノスタルジーたっぷりだが軽快な音楽に乗って、冬の北海道での三角関係の悲劇が描かれる。 今の男→かつての男→かつての記憶とつながっているなかで、かつて男の不能でうまくいかなった愛がもう一度燃え上がる。今の男が「嫉妬」や「欲望」に愛の根拠を求めて得られないのに対して、かつての男は「不能」という愛の無根拠性に抵抗しない。一度は失敗した愛も無根拠だからこそ再燃する美しい映画です。 執拗に描かれる「振り返る女」、ありえないほど揺れる湖面、そして愛の根拠を求めて、または無根拠のままに、白い雪山を歩き続ける男女。

スタッフ・キャスト

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基本情報


タイトル
樹氷のよろめき

上映時間

製作国
日本

製作年度

公開日
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