レビュー一覧に戻る
座頭市果し状

aki********

3.0

果し状は出てこないぞ?

映画の中に、果し状は出て来ない。製作過程の紆余曲折が見えるようだ。 なんか不調な出来あがり。設定や物語のつじつまがおかしいし、人間関係の掘り下げも不十分。登場人物の行動の動機が、いまひとつわからない。構成の計算も不発だった。 例えば、冒頭で豪雨に降られた市に「雨は苦手」と言わせるのは、クライマックスで雷雨の中を市が順庵救出に向かうシーンとの対比を意図しているのだろうが、観客の印象に残らない。 あるいは、今度の敵には、手裏剣使い・拳銃使いと「飛び道具系」を用意しているのだが、手裏剣を市は何度も簡単にかわすので、拳銃はどうやって交わすのだろう、と観客は期待するのだが、一発で見事命中!アレレ? シリーズもののプログラム・ピクチャーが陥りがちなマンネリズムの影、やれることをやりつくした後の脱力感がちらちらするのも、気になる。 が、成功しているとはいえないが、それらと戦おうとする作り手側の姿勢は、とりあえず感じられる。 宮川一夫のキャメラはあいかわらず、すばらしく美しい。鈍色の空の色なんて、まるで『ヴィドック』みたいだ。光学フィルムでこの色を出すとは。 あとどうでもいいことだが、野川由美子が飼っている子猫が、超絶にかわいい。あの猫を抱きたい、という思いで意識が薄らいだ。気絶しそうだ。 なお主題歌は勝進が歌っている。「大映レコード」から出したらしいが、そんなレコード会社、あったのね。

閲覧数400