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孤島の太陽 (1968)

監督
吉田憲二
  • みたいムービー 3
  • みたログ 7

3.88 / 評価:8件

太陽/お日さま

  • da5******** さん
  • 2017年8月14日 1時20分
  • 閲覧数 376
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

ほほえましい。
しかし、魂を揺さぶるほどの流れは映画的にはなかった。
ドラマそのものは、2017年の今でも興味をそれなりにそそる。近頃のテレビに多い、無名の人の来し方の再現映像とそう変わらなくて。「孤軍奮闘の若き保健婦がもたらした奇蹟!!」「そこでとんでもないアクシデントが!」「アッと驚かす結末を選んだ彼女!」とかの煽り文句を番組制作会社はぽんぽん繰り出してきそうだ。

初子(樫山文枝)の演技は、直球勝負で好感度高い。とともに、言葉遣い・化粧・スポ根的ハッスル具合などが、“背中をくすぐったくさせる”ほどに古臭い。もちろん、製作当時の樫山や監督には何の罪もない。
樫山嬢が、容姿的には“普通の娘さん”であることは、旬だったことは置いてエヴァーグリーン度において(もしも青春絶頂期の吉永小百合等々が主演してしまった場合の、いささかジャンピングな華やかさを想えば)絶対有利でもないようだけれど、原作ヒロインの福寿草的な実直さは、この樫山によってこそ清新に愛らしく保たれたのだといえる。

作品全体のトーンを左右しうる難役の一つが、偽医者(宇野重吉)。これが素晴らしかった。演劇臭を的確に抑えた時の宇野は、このとおり“ライナー性ホームラン”のように演技がカキーンと当たるのである。

キミコ役の童女もまた、キーパースン。喋りの可憐さも含め、上出来な木目込み人形のように稀有な存在感の子役をよくぞ見つけてきたなと私は唸らされた。「三丁目の夕日」のラストシーンの須賀くんをちょっとばかり連想した。
しかし、このせっかくの美少女に、途中で飽きてきたのも事実。サヨナラ時の頑張りすぎな腕振りが鼻についた、というわけでもないのだが、終盤のフラッシュバック時には何となくうんざりしていた。与えた台詞に結局、自然さが足りなかったのかもしれない。

ところで、この映画の後半、私はかなり目が湿った。感動ゆえではない。あくびを50回ぐらいしたためだ。
ほほえましい作品だったぞ、という以上の賛辞はやはり贈れないし、突風的なラストがどうにも雑だとも思うのだが、ともかくも本当に私は観賞中に60回は微笑させられた。
だからこそ、こう指摘しよう。────題名が硬い! 同時期の骨太映画「黒部の太陽」や江戸川乱歩のおどろおどろしい巨編文学「孤島の鬼」とは大違いの、初子の初々しく健やかな頑張りに、漢語は合わない。いや、もちろん原作ヒロインの生き方は骨太に決まっているが。
和語・訓読みで、例えば「姫島のお日さま」とかではいけないだろうか?

詳細評価

物語
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音楽

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