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昭和元禄 TOKYO196X年 (1968)

監督
恩地日出夫
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3.00 / 評価:2件

戦争から遠く離れて

  • bakeneko さん
  • 2012年3月21日 14時07分
  • 閲覧数 572
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

倉本聰の脚本を恩地日出夫が監督した作品で、当時同じアジア地域で泥沼の殺戮であったベトナム戦争を横目に繁栄を享受していた日本の精神的な虚無感を浮かび上がらせている“社会&青春”ドラマの佳作であります。

”地球上のある国が平和に繁栄している一方で、内乱や戦争で殺戮が行われている場所がある”―という、今ではすっかり慣れてしまっている状況を他人の不幸として看過するほど無神経ではいられなかった頃の日本人の感情を吐露した作品で、
衝動殺人の犯人である青年に週刊誌記者がバイト女性を雇って仕組んだ”やらせ取材”を通して、刹那的な若者と泡沫的記事に狂奔するマスコミが跋扈する―平和な日本社会における精神的な空虚性を突き詰めて見せてくれます。
マスコミの狂乱ぶりは今と変わらぬ”厚顔無恥性”を示して、”昭和元禄”と呼ばれた時代が現在の”自国中心視点”を生んだことを実感させてくれます。その一方で、今も変わらない若者の”薄っぺらさ&衝動性”と共に”純粋さ&繊細さ”を活写した青春描写が瑞々しく、当時の風俗やファッションも躍動するカメラで生き生きと捉えられています。そして、若者の邂逅→恋→真剣な想いへと発展する想いの先の唐突な幕切れが表わす”当時の日本の若者の青春”に卑小感と共に鮮烈な印象を受けるのであります。
映画好きな監督らしく「灰とダイヤモンド」、「甘い生活」等へのオマージュシーンを用いて、”刹那的な青春”や”享楽的な精神の荒廃”を表していますし、繁栄する日本の情景と対照的に挟みこまれるベトナム戦争の写真も、当時センセーショナルだった数々の事件を思い出させてくれる作品で、”戦争を知らない子供達”への戦中派の複雑な想いを深慮することが出来る映画であります。


ねたばれ?
本作の”ゴーゴーダンスシーン”等を観て”どっかで同じ構図を観たことがあるなあ?”という既視観がある方は、TVの”ルパン三世”の1stシリーズを何度も観ていた方だと思います。ヒロインのファッションやダンスシーンは峰不二子の所作にそっくりでありますし、元祖峰不二子の声をアテている二階堂有希子さんもカメオ出演しています。

詳細評価

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