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祇園祭 (1968)

監督
山内鉄也
  • みたいムービー 9
  • みたログ 11

5.00 / 評価:6件

中々お目にかかれない傑作

傑作と呼べる作品でありながら、好きな時に自由に鑑賞できない摩訶不思議な一本だ。その理由はこの作品の上映権を京都市が持っているという非常に特殊な事情にある。ただ、いかなる理由であれ製作された作品が、万人の目に触れる機会を失っているというのは、作品にとって実に不幸な状況であるといって良い。ましてこの作品は歴史の彼方に埋もれさせておくには何とも惜しい内容だけに痛恨の思いがある。
中村錦之助が自慢の太刀捌きを捨て、京都・染物職人の町衆 新吉という役柄の中、役者としての高いポテンシャルを立証した金字塔的作品である。アクションありロマンスあり、豪華な配役陣にも恵まれた超大作と言って良い内容だが、本質的には実に政治的な作品である。

足利幕府の政権闘争に端を発した応仁の乱の結果、京都の町を虐げられた農民の土一揆が頻繁に襲っていた。主人公の染物職人の町衆 新吉もまた、年老いた母親を土一揆のために失う。そもそも土一揆の原因とは一体何なのか? またこの状況で得をしているのは誰なのか? 町衆や百姓といった弱い者同志を争わせ、利益を得ているのは、サムライではないのか? 作中、新吉の意識の中で、様々な疑問が、何度も現れては消える。 土一揆の本拠地・近江、討伐に向かった主人公 新吉は、不本意ながら殺し合いに参加する事となり、何かが間違っていると強く感じる。そして町衆として町衆らしいやり方で、こうした閉塞状況を打ち破るにはどうすれば良いのか? 考え抜いた結果として、“祭り”に辿りつく。30年前に途絶えた祇園祭の復興。それはサムライの支配から脱却し、様々な階層の人々が思想や身分を超えて団結する革命と自治の象徴的な事業なのである。しかし、その性質を見抜いた支配階級の側からは、新しい課税、食料配給の差し押さえ等々の無理難題、様々な妨害が入り、祭りの準備は遅々として進まない。祭りの日程が決定してさえ、祭りそのものが反幕的行為と見なされ、中止通達をされる始末なのだ。遂に、様々な曲折を乗り越え、民衆の夢と団結の証である山鉾が京都の町を巡行する。しかし、その時、新吉に幕府側から派遣された警備隊の弓矢が…

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 勇敢
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