さらば夏の光
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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(3件)

悲しい25.0%泣ける25.0%ロマンチック25.0%切ない25.0%

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    4.0

    ひと夏の恋系

    終わってみれば、よくある「ひと夏の恋」系映画だとわかります。真実を求める男と真実など信じない人妻。男が追い求めていた真実は女にとっては恐怖だったのだから、ひと夏で終わってしまっても文句はいえない。 人妻が真実に目覚めていくという話にならなかったのは、1968年のこの映画が、真実批判(イデア批判)の文脈でつくられているからです。作中で交わされる「真実のパイプと偽者のパイプの話」は、フランス現代思想のお決まり。吉田監督、最先端だねー。そういえば予告編では同時上映がゴダール「小さな兵隊」と判明。なんてわかりやすいつながり!! そんな背景を知らなくても、ヨーロッパ中をうろうろする岡田茉莉子が着ている森英恵デザインの衣装はあざやかですばらしいし、妙に奥行きにこだわる構図や、人物の小ささ、すれ違いと振り返りなど、吉田監督の画面へのこだわりがよくわかります。そして、いつものように、この監督の撮る自然は不気味。花さえ。見てもらえばわかります。どうしてこんなに不気味に花を撮れるのか。夕日や朝日や水しぶきなど、光にも敏感で、「ひと夏の恋」が終わって「ほろびないものは何か」と自問する主人公への答えは、映画に保存された光だと、映画自身が語っています。

  • hel********

    3.0

    個性は感じる

    1968年。吉田善重監督作品。出演は岡田茉莉子、横内正。お2人とも現在でも活躍されている俳優さんなんですが、さすがにこの2人の出演作を意識して見たことがなく。調べてみると、岡田さんに関しては「エリ・エリ・レマ・サバクタニ」に出演していたとのこと。ああ、あのお店のママだな、と。その他にも伊丹映画に出演歴があるとのこと。いやいや、前にもっと代表作を抱えている俳優さんでございます。ちなみに岡田さんと吉田監督は夫婦の仲ということ。監督はかの大島渚監督や篠田正浩監督らと共に時の松竹を代表した監督だそうです。松竹ヌーヴェルバーグといかいわれていたようで。60年後半といえば芸術色がある前衛作品の時代ですね。 旅先でのアバンチュール、ってやつが物語ですかね。ポルトガルから始まって、フランスはパリ、ノルマンディー、デンマーク、イタリアはローマとこれぞとばかりに渡り歩いていて、これはこれでヨーロッパの風景目白押し。上のDVDジャケットにあるとおりモン・サン・ミシェルの大聖堂なども出てきます。オールヨーロッパロケというのは当時ではこれはこれで先端だったのですかね。さすがに生まれていない時代なので、ちょっと判りかねますが。 意外と全体の物語にリアリティがある印象。物語の展開からラストまで意図が感じられるのがその理由ですかね。明確で判りやすい。ちょっと、いかにも昔仕様なセリフ回しが気掛かりですが、絵がやはりヨーロッパの背景が綺麗ですしよく見えます。象徴シーンなども俯瞰や遠アングルを使って綺麗かつ意味を感じられますね。古くても語りつくされたような話でも感じられる個性。そんなのが見えますね。

  • dqn********

    4.0

    1968年・夏・ヨーロッパ

    1968年夏のヨーロッパで出会った男女のメロドラマ。岡田茉莉子出演としては「秋津温泉」以来のカラー映像(作品としては「日本脱出」以来)。 夏の欧州の光のもと、すれ違う二人、繰り返されるモノローグが内省的雰囲気を漂わせ、繰り返されるテーマメロディ(一柳慧作曲)が情感を高める。欧州の名所各地(リスボン・ゼコビア・マドリッド・パリ・ノルマンディ・ストックホルム・コペンハーゲン・アムステルダム・ローマ)を巡るロード・ムービーとしても楽しめる。 かつて長崎で見た思い出の教会、その原型を求めてヨーロッパを旅する男・川村(横内正)と、長崎の原爆で母親を無くし、それ以後日本をすてた女性・直子(岡田茉莉子)。川村は自分の探していた教会が直子であると確信するが、最後には「私のカテドラルは破壊されてしまった」と言い、直子のもとを去る。 一方、直子は日本という根っこを無くしヨーロッパをさまよっている人間。彼女にとっての教会は長崎。だがそれはすでに無くしてしまったもの。イタリアで見た教会もすでに失ったものの幻影なのだろう。一瞬高まりを見せた川村との愛も束の間、川村は去り、直子は彼を追って街をさまよう。最後までヨーロッパでさまよい続ける直子を写し、68年の暑い夏が終わる。

スタッフ・キャスト

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基本情報


タイトル
さらば夏の光

上映時間
-

製作国
日本

製作年度

公開日
-