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超高層のあけぼの (1969)

監督
関川秀雄
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4.29 / 評価:7件

土建映画

世の中には『土建映画』が存在する。
つーか、今そう決めた。

土建映画の代表作は、
やはり『黒部の太陽』と『海峡』だろう。ほかに知らんけど。

『黒部の太陽』は裕次郎が黒部ダムを作る映画、
『海峡』は建さんが青函トンネルを掘る映画、

そして今作『超高層のあけぼの』はその親玉である。

なんといって今作、鹿島の作った映画である。
私は今作のビデオを図書館で発見した。
パッケには『超大作』と太く書かれている。
ビルの写真とともに、
木村功、池部良、中村伸郎 、丹波、伴淳、など、そうそうたる顔ぶれが揃い、
羽振りのよさを内外にアピールしている。
そして、下の方にはしっかりと鹿島のロゴが入っている!

そう、
今作は鹿島の作った、鹿島の、鹿島による、鹿島のための映画なのだ!

鹿島の『Xメン』大好きの新入社員は、
研修の際全員が苦痛とともに今作を強制的に視聴させられ、
原稿用紙20枚に及ぶ感想文を書かされるのである!(ハズ)



だが、
今作は最強の肩すかし映画であるのかもしれない。

まず、
私が一番衝撃を受けたのが、丹波である。
私は今作を半分丹波を見るために借りた。丹波はきっとやってくれると信じていた。
だが、丹波の出番は冒頭、伸郎が鹿島本社に行った時、
会議室の前でたまたま会ってあいさつを交わすだけだったのだ!!
その後いくら待っても丹波は現れず、映画は終わった・・・

おい!!タンバ!!!!
それっぽっちしか出ないのに、
何でポスターに顔がでかでかとのっとるんだ!?

同じく、新玉美千代もほんの少ししか出ず、
木村功は途中から唐突すぎる交通事故によってずっと病室から出ず、
平幹二朗に至っては30秒ほどしか登場しないという、
今でいうところの『釣り』ですな。


しかし、
今作がつまらないと決してそんなことはない。
どこか鹿島のプロパガンダ臭が漂う感もあるが、
『黒部~』や『海峡』と比べても見劣り・・・う~ん



・・・する・・・かな。


うん、やっぱ見劣りする。

つまらなくはないんだよ!
でもね、
やっぱり冬の津軽海峡や雄大な立山連峰と違って、
実際はタダのビル工事なんだな。

しかも、
そこにいるのがヘルメットをかぶり図面を持った池部良と伴淳だからさ。


今作の後半からはいよいよビル工事である。

もし並みのハリウッド映画であれば、
作業中の予期せぬ事故の連続により、伴淳と田村正和は死んで行き、
池辺良は建ったビルを見てもどこか素直に喜べず、
新玉とともにその場を後にする・・・のだろう。

だがそこはやはり鹿島プ~レ~ゼンツだ。

死亡フラグが10分に一回立つ伴淳は、
観客の予想をことごとく裏切り決して死なない。

田村正和に至っては、
死亡フラグがバンバン立つもののこれまた死なず、
恐ろしくブスな彼女(鹿島の重役の娘に違いない)を連れて歩き、
そこには古畑の面影は全くない。
しまいには伴淳と一緒にハン場でもちを食う始末である。

まあ、新入社員の手前、社員を殺すような映画を見せるわけにもいかないのだろう。
起きる事故と言えば『安全第一』の標語を地で行くような、
せこいものばかりである(例・ボルトを落として下の人がびっくりする)。

ラスト近くになると強引に場を盛り上げるべく台風が関東を直撃する。
だが、別に台風が来たからどうにかなるわけではなく、
クレーンに取り残された田村が雷が怖くて泣くだけである(それだけ)。

そして、映画は完成したビルを映し・・・終わる。


・・・なんだか、意地悪な内容のレビューになってしまったが、
もし今作を見つけられれば、話のタネにでも見ることをお勧めする。

私は面白く見たのだが、
一緒に見ていたはずの友人は気づくといなくなっていた。アマゾンで調べたところ、ノーカット版は2時間40分と言う『アラビアのロレンス』並みの大作らしい(私は2時間版を視聴)。特典も充実しているそうだが、いったい誰が買うんだ?

最後に、ビデオを巻き戻そうとしたら、まだ続きがあった。
きっと、ビデオにごくまれにある特典だろうと思ってみていたら、どうも様子が違う。
それは鹿島の免震構造の技術レベルを宣伝するCMだった。

最後まで鹿島づくしの映画だった。

詳細評価

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