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千夜一夜物語 (1969)

監督
山本暎一
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3.17 / 評価:24件

虫プロがおくる「大人アニメ」

 これも意外にレビューが無いので書こう。アニメ史では本格大人アニメと位置付けられているが、いま観ると「文藝アニメ」だ。今でこそ宮崎アニメの活躍でアニメの地位は上がっているが、当時は子供が観る幼稚なものと定義づけられていた。全く不当な評価である。

 製作総指揮は手塚治虫氏。ヤフーデータには載っていないが、なんと「アンパンマン」のやなせたかし氏が美術監督としてキャラデザインを担当している。高知県のアンパンマン・ミュージアムには口紅をつけた色っぽいドキンちゃんのイラストが飾られているが、この「千夜一夜物語」のヒロインに面影があるかもしれない。
 絵の動きはさすが虫プロで、今観ても遜色はない。手塚治虫氏はディズニーアニメに対して劣等感を抱いていたようだが、私はその必要は無いと思っている。

 手塚治虫氏は実験的な試みを行っているが、この作品で評判となったのは性描写だ。美女に姿を変えた蛇の妖怪たちが住む島にたどり着いた主人公が、四六時中セックスに耽る場面がある。残念ながらTV放送時では問題のシーンはカットされたが、むしろカットのおかげで気だるい暑い真夏の陽射しの下で主人公が美女たちと戯れる場面が情感豊かになったのではないかと思う。(余談1)

 主人公は数奇の冒険を経て、大金持ちの国王陛下に出世するが、最後に再び地位も財産も失ってしまう。既に老人となった主人公だが、絶望することなくとぼけた風情で再び人生をやり直す旅に出る。主人公の声を担当した青島幸男氏の楽天的な声がよく似合っていた。

(余談1)全裸の美女たちが大勢登場して主人公と酒池肉林の日々をおくる場面の原画は、手塚治虫氏自ら描いている。
 カットされた問題場面を観る機会があったが、動きは生々しいものの藝術的な映像なので全くポルノには見えなかった。たぶんに当時の社会に挑戦する実験的映像で、作品構成から観て無理に挿入する必要は感じなかった。

詳細評価

物語
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