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与太郎戦記 (1969)

監督
弓削太郎
  • みたいムービー 4
  • みたログ 5

4.33 / 評価:3件

兵隊さんは大変だな~

  • bakeneko さん
  • 2010年6月22日 18時09分
  • 閲覧数 344
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

春風亭柳昇の原作に基づいた、日支事変を時代背景にした“兵隊もの”喜劇で、ユーモアで包みながらも、“大日本帝国の軍隊と戦争”と言う不条理なシチュエーションを見せてくれる映画にも成っている娯楽作であります。

えー、映画叢生期から存在する人気ジャンルで、他の国では(北朝鮮やイタリア、イスラエル&アラブ諸国でさえも)盛んに作られているのに現在の日本では絶滅状態なのが、“軍隊喜劇”であります(健全な社会とは言えませんな)。

戦後に盛んに作られていた“太平洋戦争もの”は、特に1960年代前後に於いて多くの娯楽名作を生み出しています。現在の“悲惨な戦争を繰り返しません路線一辺倒”とは異なり、娯楽アクションや喜劇として楽しめる作品が多いのがこの時代の作品の特徴で、「独立愚連隊」シリーズ、「兵隊やくざ」シリーズ、「拝啓天皇陛下様」シリーズ等と並んで、本作のシリーズも“兵役世代”には大人気でありました。

実体験に基づいて描かれる、徴兵→内務班に於ける軍隊教育→模擬訓練→実戦の経過とその途中で挟まれる日本国内や中国大陸での市民との接触は、喜劇ベースでありながらも、“異世界”を垣間みる様な感覚にさせてくれます。そして、その不自由で不条理な状況から生み出される“極限の笑い”は、抑圧された状況や感情と極限的な生死の境目にあるからこそ、奇妙なまでの生命力と生々しい渇望に満ちているのであります。当時の落語会の方々総出演の作品でもあり、兵隊喜劇の先輩の柳家金語楼まで出てくる豪華な作品でもあり、戦前の風俗や花柳界等も興味深く描かれていますし、軍隊組織の機構や習わし等にも詳しくなれる映画であります。
そして、お笑いシークエンス中にも、本格的な軍隊行進や戦闘時の動きの俊敏さに、“殆どの成年男子に従軍経験が有った時代”の片鱗を見ることが出来てはっとさせられる映画でもあります。

なにしろ兵隊さんは基本的欲望中心になってしまいますから、食と色中心の笑いのエピソードが多いので、お子様は遠慮した方が良いと思いますが、“戦争を知らない世代”が楽しく軍隊の本質を体で理解出来る作品であります。

で、本作は大映のドル箱シリーズである「兵隊やくざ」の喜劇版でもある訳ですが、続編「続与太郎戦記」では、もう一つのドル箱シリーズとの邂逅が….。


ねたばれ?
“上官の命令は天皇陛下の命令と思え!”と言って部下に女性の部屋の“のぞき”をさせる上官に、“大日本帝国軍と社会”が凝縮されている様な気がします。

詳細評価

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