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狂走情死考 (1969)

RUNNING IN MADNESS, DYING IN LOVE

監督
若松孝二
  • みたいムービー 1
  • みたログ 12

3.14 / 評価:7件

哀しくて美しい

  • big******** さん
  • 2013年2月14日 5時07分
  • 閲覧数 586
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

若松監督作品、鑑賞2作目です。

今回はオールカラーで、それがすごく生かされてました。

雪の道行きとは、美しすぎます。

地方のローカル線の「ゴトン、ゴトン・・・・ゴトン、ゴトン・・・」というリズムと
列車の窓から見える雪景色、そして窓の左右両側にうつむき加減に座る男女・・・・
この構図だけで、ぐっとくる。

しかも、主人公二人が雪の中をどんどん、どんどん歩いて・・・・雪の中を歩くわけですから、大変なんですよ。それが、この映画のミソ。
普通の道を歩くんだったら、大変でもなんでもない、雪の中をずんずん、ずんずん歩かせる、それが二人の行く末を暗示してもいるわけで、その先に待ってたものは・・・。
この映画を見て欲しいんですが。

この道行きは、60年代、70年代の学生運動、政治運動を暗示してもいるわけで、政治運動に傾倒していた主人公が最後に味わう敗北感は彼らの敗北感でもあるわけで、その分、道行き途中で味わった幸福感は、現実味のないユートピア的な幸福感でもあるわけで。
それはすべてあの当時のあの運動でもあったと思う。
現実から離れた、ただの理論としての運動。
そういうものがどういう終わりを迎えるのか・・・。
そんなことを語っているような気がする。

また、道行きの途中で出会う、不条理な田舎の世界。
それは、政治運動が叫ぶ人間の権利や自由などというものが通用しない世界。
主人公はそれにも打ちのめされるわけで。
(山谷初男が村の男を迫力ある、不気味な存在感で演じてます。ほんの数分ですが)

最後の呆然とした、哀しみ、悔しさの混ざった、そして自分自身の不甲斐なさを知らされた主人公の複雑な表情と、そういった感情すべてをぶつけたような歩き方がすごく印象的だった。

若松作品の中では、すごく叙情的でもあり、美しさ抜群でお薦めの映画です。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 悲しい
  • 絶望的
  • 切ない
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