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新選組 (1969)

監督
沢島忠
  • みたいムービー 6
  • みたログ 40

2.94 / 評価:16件

男くさい「ミフネ」の新選組

  • 北条四郎 さん
  • 2010年8月22日 11時09分
  • 閲覧数 1085
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

 この映画が作られたのは1969年~あの頃はまだ男臭い男がいた。「臭い男」と「男臭い」は別の概念だ。三船敏郎さんは、男臭いことを美徳と表現できる最後の人たちではないだろうか。

 とにかく映画を見始めて・・・男くさいなーと感心してしまうのだ。拙者は多摩の百姓に過ぎませんと謙遜するところがシビれる。謙遜するという態度は、もう平成の世ではほとんど通用しなくなった。もっとも明治維新の時分だって、これまで美徳とされていた価値観が次々と崩れ去っていった訳だ。

 新選組を取り立てたのは会津藩という福島県にあった藩である。会津藩は、藩主松平容保の人柄が買われて京都守護職の大命を引き受けることとなり、黒船騒ぎ以降の混乱に便乗した不平・不満分子の取り締まりにあたっていた。この藩は、封建社会の最高傑作だと言ったのは司馬遼太郎先生である。彼らは、武家政治の精神をもっとも高尚なまでに発展させた集団であったが、それ故に滅びなければならなかった。

 会津藩が藩の最高傑作ならば、新選組もまた封建社会が生んだ庶民の最高傑作ではないだろうか。彼らの働きは正に尽忠報国、とにかく新選組にかなう侍がいなかったのは事実ではないか。近藤・土方の自己犠牲的な生き様・死に様を思うと、その辺に転がっている侍よりも侍らしい。多摩のお百姓さんがなぜここまでやんなきゃならねーのか・・・これは個人的な資質の問題だけだろうか・・・。

 残念ながら、明治維新の勝者は、牛から馬にそそくさと乗り換えるようなお調子者ばかりであった。筋を通さねばならぬ、などと言ってりゃたちまち時流に取り残される。「改革!」などと騒いでいる志士気取りの政治家達が、混乱に便乗して不平・不満をブチまける不逞浪士と微妙に重なり合う。悪い幕府をやっつけたなどという誤った教育を受けてきた我々であるが、日本の近代化は幕臣・小栗上野介などの地道な実務者によって着々と進んでいたまでだ。世の中は、昨日から今日へ、今日から明日へと、地道に職務に就いている人々によって動いているのである。ところが「ホラ吹き勝」のようなお調子者がおいしいとこだけ取って歴史に名を残したりすんだなあ。

▼映画そのものについて感想をもう少し・・・

・映画の冒頭、小林桂樹さんが近藤勇かと思った!だって明らかに土方って顔じゃないぜ。

・やはり2時間で新選組を描くのはキツい。場面が大急ぎで高速回転してるって感じ。

・ホラ吹き勝、を演じた人がすごくよかった。斬る気にもならない、将棋の飛車かなんかで眉間を「タァーッ!」と叩きつけたくなる感じ。

・三國連太郎先生最高!憎たらしい役やったら最高ですな。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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