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男はつらいよ フーテンの寅

ryo********

4.0

社会へのアンチな目線を感じるT3。

観たことのなかった寅さんに去年突然芽生えた憧れのようなもの。でも全作観るぞと決めたのに2作目観た時点で満足してしまい、それっきりでした。お母さんと再会した2作目で完結してると言ってもいいですよね。それでも、現代でも響く寅さんの軽妙な口上やバカがつくお人好しぶりをまた観たくなり、第3作を観ました。   オープニング、爆走するSLがカッコいい! 「奮闘努力の甲斐もなく今日も涙の日が落ちる~」をバックに、自転車通学してる学生5人をなぎ倒してしまう寅…そういうとこだぞ!   そして、やたら忙しそうなとらやが映し出され、タコ社長の「どこも同じだよ人手不足は」のセリフに時代背景が滲み出る。ちょうど高度経済成長期の終わり頃。 そこにアイルビーバックな寅がちゃんと帰ってきて始まる第3作。 博が用意してた縁談。最初はその気なさげにしてながら、しがない旅ガラスだから気立てが優しければどんな子だっていいとか言いながらも嬉しさを隠せない渥美清さんの演技がいい。結局は女性に対してあれこれあれこれ注文つけて、当日はあり得ないほどしっちゃかめっちゃかにして、おいちゃんに多額の出費をさせてしまう… 流れ流れて、湯の山温泉もみじ荘の女将 志津に岡惚れして番頭を務めてる寅。岡惚れは寅の性癖だ。そして打ち明ける前にフラれるのも… 番頭が余興する旅館、これは先見性がありますね!すでにエンタメな宿があったのだ。 女将を演じた新珠三千代さんも綺麗だけど、好みは染子の香山美子さんかな。 それにしても本作の寅はめちゃくちゃすっ転びますよね。バカに加えて鈍臭さをパワーアップした印象。 染子が取る手段が駆け落ちだったり、染子の父親がだいぶ使いものにならない人間であったり、桜島に向かって「お前のケツはク◯だらけ!」で終わるラストに、社会へ対するアンチな目線を感じた。アメリカンニューシネマの影響もあったのだろうか。 最初と最後の方の二度、風邪をひく寅。 最初はちっちゃいトラノマスク着用してて、そこでちょい役を演じてる樹木希林さんがかわいい。二度目は志津が作ってくれたたまご酒を飲む寅。その後、恋が終わることも知らずに…バカも風邪をひく世界だ。 あと、公開ペースの早さに驚かされる! T1:1969 8月 T2:1969 11月 T3:1970  1月 T4:1970  2月 T5:1970  8月 制作大変!山田洋次さんはなぜかT3と4は脚本のみなんですね。 さくらの出番が少ない第3作でした。

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