戦争と人間 第一部 運命の序曲
あらすじ・解説
解説:allcinema(外部リンク)
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作品レビュー(14件)
- kaz********
4.0点
凄い大作だ。圧倒される。これだけの豪華配役揃えるなんてなかなかできないのでは。現代史のいい勉強になる。 昭和初期、新興財閥の伍代一族は満蒙の開拓をてこに権益を拡大するため、軍閥と癒着を深めてゆく。当時中国は、北京を張作霖が南京を蒋介石が支配し蒋介石が北伐に進もうとしていた。昭和3年6月の張作霖爆殺事件を契機に、居留民保護を理由に関東軍を展開する参謀本部は、昭和6年には柳条溝事件を起こし満州事変へと拡大していった。 伍代一族の利潤追求の欲望が軍部を動かしていく過程が気持ち悪い。特に当主由介の弟喬介は、目的のためには平気で人を殺す用心棒を雇って事業を拡大する。由介の長男・英介も中国人の趙瑞芳を強姦するなど軍部を笠に着るキツネだ。その中で、由介の次男・俊介が弱者を擁護する姿勢を示すが、女中に『金持ちは貧乏人の味方にはなれない』と諭される。伍代家の長女・由紀子は、自分からは何もしない矢次より、軍人の柘植と一夜を共にする。 一方、伍代産業にも労働組合があり争議を行うが、当主の由介に弾圧される。活動家の中では、標兄弟の兄弟愛が感動的だが、戦争に反対していた兄・拓郎の戦死は皮肉である。 伍代産業にありながら、満州の人民の幸福を願って商品流通に奔走する高畠は、信念を貫く男らしい男である。 また、満州人で医師の服部が、柳条溝事件後軍部の肩を持つ意見を述べた時、同僚の不破から『政治的国籍は隠せませんね』と言われたのにははっとした。
- mak********
5.0点
これだけスケールの大きい歴史映画はありません。大作はどうしても大味になりがちですが、ストーリー展開が見事で飽きさせません。デティールもしっかりと描かれていて、戦争に引き裂かれていく兄弟肉親の情や男女の愛も捉えられている。演技陣も層の厚い劇団俳優の参加もあり、滝沢修や特に芦田伸介の演技が渋くてほれぼれする。日活の懐かしい俳優も若々しい演技で盛り上げている。
- pin********
5.0点
これを大作と言わずしてなんとする。 まさにオールスター。 物語も骨太。 満州事変から太平洋戦争にいたる大歴史絵巻。 だいたいタイトルからしてド・ストレートな『戦争と人間』ですよ。 昨今のネトウなら、自虐史観だのなんだのと騒ぐかもしれませんが、そんな批判すらも吹っ飛ばすような熱量と力量がこもりきっています。 原作はもちろん、監督も役者たちもあの時代を本当に生きた人たちですから、自分たちの人生の総決算的な気迫がこもっているんじゃないでしょうか。 監督はあの大作監督山本薩夫。 あの時代ですから、何か所かあるミニチュア撮影は、いかにもミニチュアなのですが、そのミニチュアにさえ気迫がこもっているように思われるのです。 出演者はすべて日本人、ロケもあの時代のことだから、中国でなんかできなかったでしょうし、よくもあんな風景を撮ったものだと思います。 あの満州の広大な大地を映そうと最大の努力が払われているように思います。 そして何と言っても役者の素晴らしさです。 あの時代の役者がいかに力を持っていたかがよくわかります。 画面に登場するだけでオーラを放ってきます。 特に、悪役の側の素晴らしいこと。 遅れてきた資本家、伍代産業の当主を演ずる瀧澤修の知性を持った温厚な権力 者、冷徹な策謀化芦田伸介、血に飢えたテロリスト三国連太郎。 ドキドキするほど魅力的です。 そのうえ3時間の長尺。 それが3部まで続くというんだから大変です。(そのうえ未完とか…) 心して見よ!
- kun********
4.0点
日活の大作ですね! 石原莞爾閣下が帝国が夢見た満蒙です!! まさに帝国の興亡は満蒙にありです!! 三國連太郎のカッコよさに痺れました
- oir********
5.0点
一部と二部の合同レビュー。※三部完結編は既レビュー それぞれ3時間、三部合計9時間という超大作。本当は四部まであったらしいが金がおっつかず頓挫したらしい。 とにかく当時の満州・中国への軍事侵略の歴史的記述、及びシナリオの密度が半端なく、中国ロケ多数。セットも抜かりなく、当時の考えうる限りのオールスターキャスト。演出・演技も熱がこもっており、個人的には邪魔と感じ易いラブロマンスも多数ながらそれがサイドストーリーとして非常に効果的! これ程の圧倒的物量・情報量・ドラマ性で迫ってこられたらあとは視聴者の忍耐が続くか否かが問題。 今回は6時間ぶっ通し視聴しましたが、少しでもくらっと来たら即立ち上がり、ストーリーを追えなくなることが決してないように集中。視聴後はさすがに疲労困憊。しばらく横になりましたね。 総評は保留付きの五つ星 保留付きとしたのは動物虐待場面。当時はあれが許されたのだとしても、生きた鶏に火をつけたり、刃物で突き刺すなどは一線越えの演出。CGなき当時であってもフェイク処理で十分だったのではと悔やまれる。 懸念点として強硬的な陸軍関東軍の姿勢に賛同するような極右的思想者には本作は耐え難いであろうということ。なにしろ中国人捕虜人体実験描写なども含め完全な悪者として描いているから。 でも当時は一般市民の中にも強硬姿勢に賛同する人たちが少なくなかった、というより大勢を占めていたからこそ軍部も強硬路線を突っ走ることが出来たわけで、どうにもやるせない話。
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