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若者の旗 (1970)

監督
森川時久
  • みたいムービー 1
  • みたログ 11

4.00 / 評価:7件

時代だったなぁ

  • kinchan3 さん
  • 2014年11月3日 10時13分
  • 閲覧数 265
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

今の60前後の人はみんな主題歌をソラで歌える。
 というか、学校で行事があって最後にみんな歌うのがこの曲だった。
 三部作の最後で、テレビドラマが打ち切りになって作られた結論だ。
 でも、結論があるわけではない。
 脚本の山内久の話を聞いたことがあるが、弱い者が強い、という中国との戦争中の話で、後に著作で書かれていることだ。
 実は強がっている者ほど、弱いのはこの映画でも見える。

 妻夫木が演じていて違和感を感じ続けたのだが、青大将と違って学歴のなさなど出せなかった。
 久しぶりに見直して、1970年代というのは公害がひどくなりつつある時で、高度成長の夢を見続けていた時代だった。
 今の中国人に見せてやりたい。
 70年安保が破綻し、というかその前に東大紛争などでとっくの昔に学生たちは抑え込まれていた。もうセクトなんかどうでもいい時代ではあったが、内ゲバによる被害者はまだ残っていた時代だ。
 公害や米軍基地など問題は山積みだった。
 こんな暗い時代に青春を迎えていたものだから、その後も楽しいことはなかった。
 自分の暗さのルーツを見ているようで、やっぱり嫌だった。

 みんな思うだろうけど、ちゃぶ台での暴れ方というのは信じられないだろう。「巨人の星」の父だってマンガでは1回きりだという。粗末にしないはず、と言ってから、実はあの食卓はうちの今の食卓よりはぜいたくだ。ビール、しかも本物のビール(うちは第三のビールしか並ばない)が3本なんて並ばない。
 もう一度、考えてみると、キレるとちゃぶ台をひっくり返すような父親がいたことは確かで、フィクションではない。理屈で来られると反論できない、つまり言葉が足りない人がこんなことをしたのだ。

 それに、ベッドなんか使っている家庭はまだまだ少なかった。
 僕らの生活なんかもっと悲惨だった。

 民青っぽいという人もいるが、山本圭には教条主義を感じることは確かだ。
 三部作はよく学園祭で上映されていた。主催は民青だったかもしれない。
 しかし、誰が正しかったか、なんて誰にも分からない。
 民青も間違っていたし、革マルも間違っていた。
 正しさを求めすぎてやさしくなれず、今の学生たちはやさしさを求めすぎて正しくなれず、なんても思うけれど、こんなことをいうこと自体、教条的である。
 でも、卒業すると、松山省二のようになった人が多かったと思う。
 
 「金とセックスでやるよ、俺は」と香港へ行くいう松山省二の言葉で、実際にその後の大学は紛争がなくなり、そんな風になっていった。
 『限りなく透明に近いブルー』か『僕って何』の人生か、どちらかに転び、僕は後者の方だった。
 「金と軍事」だけの今の世の中よりはよほど幸せだが。

 それにしても、議論ばかりの映画をよく作ったものだ。
 今の時代に再ドラマ化した人たちの気持ちをもっと知りたいと思った。
 ごめんね、見なくて。でも、冒頭からの妻夫木の喧嘩が…。

 ああ、とりとめのない感想になってしまったけれど、とりとめのない人生を送った男に気の利いたことが書けるはずもなかった。

 それにしても、とりとめなく終わってしまった。
 結論がないまま終わっても、主題歌が聞こえてくると、それでいいか、という気になるのだから、刷り込みっておそろしい。

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