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新座頭市 破れ!唐人剣 (1971)

監督
安田公義
  • みたいムービー 3
  • みたログ 43

3.16 / 評価:19件

これは「片腕必殺剣」シリーズだ!?

  • osugitosi さん
  • 2009年8月15日 16時43分
  • 閲覧数 747
  • 役立ち度 6
    • 総合評価
    • ★★★★★

今や私のお気に入り監督チャン・チェ。彼の初期の人気作
「片腕必殺剣」「続・片腕必殺剣」「新・片腕必殺剣」がCSで
連続的に放送されてます。これらのDVDは近くのショップにないので
やっと見ることができ、大変助かりました。

「嵐を呼ぶドラゴン」「少林寺列伝」「水滸伝」などのレビューで
再三申し上げているとおり、日本における香港映画の紹介は
当時の時代背景など人気に左右されており、60年代から70年代初期制作の
「片腕」シリーズ3作品は、日本劇場未公開であります。
今日このような作品がいかなる形であれ、一般のファンも見れるようになったことは
関係者の情熱と行動の賜物であり、感謝します。

しかし、ブルース・リー以前、まだ日本では注目されていない香港映画の面白さを
国内の映画人の中には知ってた人がいました。
勝新太郎もその中の1人でしょう。

「座頭市」シリーズは香港でも公開されて、人気があり、「片腕」シリーズも同じく
ハンディーキャップを持つ者が主人公ということで、「座頭市」の影響下で制作されたといいます。
このように交流があったので、
「片腕必殺剣」「続片腕必殺剣」での
王羽(ワン・ユーことジミー・ウォング)演じる片腕のキャラクターをそのまま来日させ、
座頭市と共演(対決)させる企画は、勝新としては当然のものだったのかもしれません。
(ちなみに「新片腕」は王羽主演でなくデェビット・チャン主演の別物)

ここでまた蒸し返しますが、この当時の香港のファンは座頭市を知ってたのに
日本のファンは香港映画を観てない、映画人の間では交流があったのに一般人は無関心だったとは・・
カルチャ-ギャップを感じてしまいます。

で、もしも当時、香港映画が日本公開されてて「片腕必殺剣」が日本でも人気があったとしたら、
この「破れ!唐人剣」のラストは違ったものになったでしょうね。
どちらかが死ぬまでの決闘にはならなかったかも。
香港用の別バージョンも撮らなくてよかったかもしれませんね。

前置きはこれくらいにして?本旨に移ります。

「座頭市」シリーズは名画座での鑑賞を含め、テープ時代のレンタル鑑賞と
大半のものは見て参りましたが、この「唐人剣」だけは見る気がしなかった。
他のレビューにも書かれてますが、シリーズとして違和感があり、
別物のように思えたからであります。

しかし「片腕」シリーズを見てて、この主人公がそのまま「座頭市」に登場すると聞くと
これは見なくては・・という気になります。さっそくDVDレンタル、これは近くにも置いてある。

おー、王羽、あの2作と同じ風貌、片腕、使用する短い剣も同じ!
何で片腕になり、何で短い剣を使うか、前作でわかっているので
彼に、感情移入しやすいのであります。
いわば当時の香港でこれを見た方たちと同じ感覚で見ることになります。
よって、やはり最後はかれに死んでもらいたくないという感情になってしまいます。

また格闘シーンにおいて、いつもの「座頭市」よりも血が噴き出す量も多く、
腕や耳を切るなど過激さも増しています。(チャン・チェ監督風)
が、「片腕必殺剣」の流れでみていくと違和感はありません。
(もっともこの過激さは後の、同じ勝プロ制作の「子連れ狼」シリーズに継承される。
ここにも他との交流の影響がみれるという事例ではないでしょうか。)

ということで、この「新座頭市 破れ!唐人剣」は「座頭市」シリーズの流れでなく
「片腕必殺剣」シリーズ外伝として見た方が違和感ないのです。

まだ未見の方、再見しようという方、ぜひとも「片腕」シリーズを見てから
この作品を見て下さい。そしたら数倍楽しめる・・・と思います・・・

ちなみに、見終わった後、DVD特典を見ると、本作では王羽演じる剣士の名前は
「ワン・カン」で、「必殺剣」のときの名前は「ファン・カン」だった。とある。
名前が似た発音なので同じかと思ってたが、違うのですね。
そのまま同じ設定のキャラではなかったようですね。
ちょっとガッカリ・・・
そういえば、あの2作より無骨な感じで、いつの間にかカンフーも使ってたので
ちょっと違うとは思ったが・・・

まぁいいか。

で、
この同年、ブルース・リーの「ドラゴン危機一発」が香港で公開されヒット。
この後、王羽も剣よりカンフー主体の作品で注目を浴びるようになります。
自分で監督した「片腕ドラゴン」などがそうですが、ここらは日本でも劇場公開されました。
めでたし、めでたし。

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