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甦える大地 (1971)

監督
中村登
  • みたいムービー 3
  • みたログ 12

3.25 / 評価:4件

大規模開発の光と影を描いた良作。

  • kkk***** さん
  • 2015年12月25日 19時09分
  • 閲覧数 687
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

石原プロ制作映画6作目。これ以降、映画を手がけていないことから興行的には厳しかったのだろう。大規模開発を成功に導いた感動秘話とも、国家権力や巨大企業に立ち向かった名も無き民衆とも、どちらの立場にも汲みせず、日本映画らしからぬスケール感で人間の情熱と欲望を堂々と描ききる力量は、石原裕次郎をおいて他にはなかったと言える。
昭和30年代、交通の不便さから陸の孤島といわれた鹿島地方に、「貧困からの解放」「農工両全」をスローガンに鹿島コンビナートの開発が始まった。30万都市の創出を目指すが遠く及ばず、昭和59年、開発収束。試行錯誤の末、サッカーJリーグ鹿島アントラーズのホームタウンとして発展を遂げている今、改めて本作の再評価が求められる。
この時の反対派の一部は、その後成田闘争へ突入していったそうだが、近年の安保法制や沖縄基地問題にも垣間見えるキナ臭い暗部をあぶり出している点も見逃せない。一方で、理想に燃え意気揚々と土地買収に繰り出すも、猛烈な反対に次第に打ちひしがれていく開発公社の職員たちが、鹿島コンビナートの竣工式に出席することもなく、ひっそりと酒を酌み交わしている描写に胸を打たれた。
巨大プロジェクトの前に誰もが正気を失っていく。悲しむべき人間の性を、泥臭いまでの映画に対する熱い思いを貫き通して完成させた良作と言えよう。

詳細評価

物語
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