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夜の診察室 (1971)

監督
帯盛迪彦
  • みたいムービー 7
  • みたログ 37

3.08 / 評価:12件

松坂慶子の『夜の診察室』

  • 諸星大五郎 さん
  • 2007年5月18日 3時30分
  • 役立ち度 26
    • 総合評価
    • ★★★★★

 『夜の診察室』製作は71年。
本作を女性週刊誌で例えるなら、ちょうど71年創刊の「微笑」。
当時流行のポルノ小説家に例えるなら川上宗薫というより、宇野鴻一郎である。この映画。

「わたし夫婦生活心理クリニックのお手伝いしてるんです。」と、宇野鴻一郎のヒロイン一人称で切り出すわけだ 松坂慶子。

 この時代、思い出せば、よく女性雑誌で体位特集なんてのをやっていた。なんだか墨汁で書いたような画質の悪い男女の絵。「猪木の影武者」藤原嘉明 の関節技図解みたいな絡み合い。あーして、こうーして、こうなるの、みたいな。
中学生の私、こっそり盗み読みしているの、みたいな。

 本作、ほんとうなら忘れ去られている映画かもしれない。それが今もしぶとく生き残っているのは、主演の松坂慶子のおかげだろう。松坂さん、バリバリに若い。挑戦的なマスクだ。目が大きい。渥美マリ の代演だったそうだ。手に入れたチャンス、私、大女優にならなきゃおかしい、って顔してる。

 いわゆるお色気映画というジャンル。今、鑑賞すれば、とくだんエロいシーンがあるわけでもなく、なんとなく中途半端。
でも、この映画には邦画一時代の崩壊、という厳しい背景があるから少しだけ記しておこう。

 本作は大映映画。大映は1960年後半から不振に喘ぐ。1970年から、同じ経営不振の日活とダイニチ映配を設立する。いわゆる配給網を合体する策に両社再生を託したのである。
日活は、ロマンポルノの前身となるエロ・グロ系映画を中心に製作。
一方、大映が狙ったのが、ややエロ系のアイドル路線。「おさな妻」シリーズは関根恵子、そして本作は松坂慶子。

 しかし呉越同舟。ダイニチ映配はあっという間に解体してしまう。
それが71年。「夜の診察室 」のオープニングに「ダイニチ映配」と大きく出るが、ダイニチ映配最後の映画のひとつが本作なのだ。

 大映は71年年末には倒産してしまう。
松坂慶子も、この時解雇されてしまうのである。撮影時には大映スターを夢見ていただろうが、封切りされて即解雇になったのだ、松坂慶子。

 「夜の診察室」
邦画苦闘の昭和に生まれた映画なのである。




 



 








 

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