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遊び (1971)

監督
増村保造
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3.54 / 評価:28件

増村監督の原点回帰、関根恵子が素晴しい

  • おーるどぼーい さん
  • 2009年4月1日 22時35分
  • 閲覧数 2341
  • 役立ち度 6
    • 総合評価
    • ★★★★★

野坂昭如の原作を映画化。

デビュー作「くちづけ」で青春を描いた増村監督、原点回帰とばかりに、再びboy meets girl(girl meets boyかな?)の物語を取り上げた。だが、若々しいエネルギーに溢れた「くちづけ」と違い、本作は若者の焦燥感や不安感が顕著。それはまるで、両作が作られた時代背景 -映画全盛期に作られた「くちづけ」と、映画斜陽化(しかも制作の大映は、この直後に一度倒産する)の中での「遊び」- とシンクロしているかのようだ。

工員の少女(関根恵子)とヤクザの少年(大門正明)が出会う。少女に優しくする少年だが、実は彼女をヤクザのアニキに売り飛ばそうという魂胆。だがそんな自分を心から信頼する少女を見ている内に、少年は彼女に惹かれていく。ついに少年はアニキを裏切り、二人はあてもなく逃走するのだった…。

関根恵子が素晴しい。貧乏な家庭(飲んだくれの父、病気の姉)で育った垢抜けない少女役。初めて男に優しくされた女の幸福感、そして好きになった男が(実は)ヤクザと分っていながらも信じついて行く純真さを、体当たり(ヌードもあり)で演じている。

ゴーゴー・クラブのシーンがインパクトありで(赤・青・緑と明滅する画面)、踊る関根恵子がちょっと可笑しい。

ラストシークエンスは鮮烈。逃げる二人は浅瀬へとたどりつく。漕ぎ出した船には穴が空き水が溢れてきている、それでもその船につかまりながら、ここではないどこかを目指し進む二人。不安と希望が入り混じった見事な結末。その不安はまた、当時(1970年代)の映画産業を象徴しているかのようでもあった。

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物語
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