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遊び (1971)

監督
増村保造
  • みたいムービー 6
  • みたログ 74

3.54 / 評価:28件

一直線につき進む二人

  • cinemabestfan さん
  • 2013年2月17日 14時33分
  • 閲覧数 1213
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

 増村保造という監督は希有な監督だナ、とつくづく思う。随分沢山の作品を撮っている、なんでも撮っちゃうみたいだ。が、どれ一つとしてつまらない作品がないんですよ。観ていて眠くなることがない、ぐいぐいと引っ張られて観せられてしまう。この人の映画には曖昧さがまったくない、徹底してジメジメ感がない、これは凄い!イタリア映画留学の影響ですかね。
 1971年のこの作品は増村監督が大映で撮った最後の作品。大映倒産前で製作費は相当切り詰められたらしい。しかし、低予算の日活ロマンポルノがそうであったように、この作品からも作り手の逆境でのエネルギーを強く感じる。主人公二人を取り巻く環境がリアルに描かれていて力がこもっている。42年後の現在観てもまったく色褪せていない。
 関根恵子が初々しい。この世間知らずで純朴そうなヒロインが終わり間近に男から「俺はやくざだ」と告白されると、「わかってたは、はじめから」と口調がガラッと変わって自己を語り男を圧倒してしまう。「強烈な自我を持ち、愛憎のためなら死をも厭わない個人主義」、このあたりが増村監督の真骨頂だろう。
 この年のキネ旬邦画ベストテン1位は一月に亡くなった大島渚の「儀式」、そして10位はなんと私の大好きな藤田敏八の「八月の濡れた砂」がはいっているではないですか。「八月の・・」が入選しているのであれば「遊び」が入ってもいいじゃないか、4位の「戦争と人間」なんて信じられない。
 巨匠、名匠、鬼才、異才、増村さんにはどのような冠が相応しいのだろうか。これだけ才能のある監督であればフツーは年に一本か二本の、製作費タップリの会社を代表するような作品を手掛けていけただろうに・・・。私は敢えて、敢えて「名匠」の称号を授与します。
 食堂のメニュー、餃子100円と写っていた。定時制高校の帰り、味噌ラーメン100円、餃子100円の夕食が懐かしく思い出された。

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