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ヘアピン・サーカス (1972)

監督
西村潔
  • みたいムービー 6
  • みたログ 13

4.42 / 評価:12件

♪風も~ふーるえる・・・

  • osugitosi さん
  • 2011年7月23日 13時45分
  • 閲覧数 778
  • 役立ち度 9
    • 総合評価
    • ★★★★★

ヘアピンカァーブー♪

などと唄ってしまうタイトルですが、
カーブではなくサーカスです。

映画の冒頭に、なぜサーカスなのか、
説明文?が出てきて、納得しました。

が、そんなことはどうでもよく、
1972年の日本映画で、
こんなのがあったのか!というのが感想です。

私は、自動車に興味もなく、詳しいわけでは
ありません。(運転はしますが)
しかし、素人の私にもこれは、車に対するこだわりが
半端じゃないのが分かります。
車種、エンジン音、走行、すべて本物志向だと
伝わってきます。
たぶんオートモービルファンには堪らないものでは
ないかと想像できます。

いちおう、五木寛之の原作があって、
ストーリーもありますが、どうでもよく、
(簡単に言うと、自動車教習所の教官が
 悪いドライバーを懲らしめる話?)
レース、カーチェイス、クラッシュなどの
自動車アクションを見る映画です。


主人公の教官は、元レーサーという設定で、
演じるは、当時現役レーサーの見崎サンという方(演技は素人)。
この方が、当時のマカオGTに出場しており、
そのレース模様を撮って、主人公のレーサー時代の回想シーンに
使用してます。
このレースシーンがマックイーンの「栄光のルマン」を
思い浮かべさす雰囲気です。
影響受けてるかも・・
さすがにクラッシュシーンは迫力に欠けますが、
本当にぶつかってます。

でも一番の見せ場は、夜のハイウエイでの
教官とマナー悪ドライバー(暴走族ではない)との
一騎打ちカーアクションです。

夜のカーアクションと言えば、
ウォルター・ヒル監督の「ザ・ドライバー」です。
1978年作品で、高校生のとき見ましたが、
夜のカーチェイスが初めてで、凄いと思ったものです。
しかし、その6年も前に、しかも日本で、
夜のカーアクションが撮られてたのに驚きです。

真夜中の首都高速、150キロで走っての撮影。
出演自動車以外のタクシーとかトラックは、
映画撮影だとは知らず、
ガチで暴走車をよけていたのではないか?
そう、DVD特典のインタビューによると
警察に無届のゲリラ撮影だったのです。

今では、真夜中でも高速は交通量が多くて、
当時みたいには撮れないだろうという話です。
え~
というか、ゲリラ撮影なんか
今どきやったら大問題でしょうww


オートモービルディレクターという名目で
大坪さんという方がスタッフとしてクレジットされてます。
特典映像インタビューでは
この方が、登場する自動車(トヨタ2000GTなど)を
提供し、スタントドライブも行い、
自動車アクションにうとかった日本映画に
ごまかしのないカーアクションを促したとのことです。

1974年に、H・B・ハリッキーという人が
自分の車を提供し、製作、出演、監督した
「バニシングIN60」を思い浮かべてしまいました。
その2年前に既に日本で
アノ作品に近いことをやった人がいたわけです。
まぁ台数とか規模は全然違いますが・・・ww

以上のように、アメリカ映画にも負けないくらいの
先見性のある?カーアクションを見せた点でも
評価されるべき作品であります。
しかし、魅力はそれだけではありません。
単なる手に汗を握るような迫力のアクションではなく、
陶酔感のカーアクションということが特徴です。
バックに聴こえる本物のエンジン音にシンクロして
モダンジャズが流れます。
マカオのレースシーンでも夜の首都高暴走シーンにも
ジャズの音色が・・・
映像も現代風にカットがやたら変わるものでなく
車の走りを長廻しで撮ってます。
これにジャズがかぶさって心地よいものになってます。
これが、アノ頃のけだるさを出し、陶酔の果てに
眠気をさそいそうです。

この70年代初期のけだるい雰囲気は
出演の顔ぶれからも伺えます。
主演の本業レーサー見崎竜也は
正義感という点ではアノ頃の特撮ヒーロー
「キカイダー」のジローの雰囲気だし、
アノ頃よく出ていた睦五郎さん。
女優陣としては、江夏夕子、戸部夕子、田坂都といった
70年代初期限定の顔ぶれ!

と。いかにも72年の日本映画の雰囲気
ATGとまでいかなくても
ニューシネマの影響の濃い時代の映画。
という点で
若い人達に勧めることではマイナスの話をしてしまいました。
現代の早いカットに慣れた人達にとっては
完全に催眠効果になってしまうかもしれません。

でもそんな若い人達にもどう思われるか
見ていただきたいものです。
ただDVD化はいいが、レアでレンタルショップには
あまり置いてなさそうなのが問題です。
私は宅配レンタルで見ました。
あと、やっぱり劇場で再上映して欲しいですね。
そうなれば迫力もあるでしょう。

詳細評価

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