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新座頭市物語 折れた杖

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3.0

今までとは違う撮り方が観られる

シリーズ24作品目にして、 勝新太郎氏初の監督作品と思われますが、 今までとかなり雰囲気が異なると冒頭から感じると思います。 異様なまでの接写、 座頭市が聞いているであろう”音”の聞かせ方、 こだわりぬいたカット割り(というのかな?)、編集の数々。 で、斬新と思われるそのシーンのぶつ切り状態が 個人的には見にくかったという・・。 なんというかシーンがぶつっ、ぶつっと 途切れてはつながるという連続でなんか見にくいんです。 うまく脳内に入ってこずちょっとしたストレス。 おそらくつながりの部分も極力削っているために 脳内変換してみなければいけないことで 私の脳がストレスを感じたのかなぁと勝手に思ってますが、 今までのシリーズとはかなり違った所が斬新だと思います。 今までのシリーズでは あまり市が盲目という部分について意識していたようには 見受けられなかったのですが、 本作は市が耳で聞き相手の動きを知るという部分も 細かく描写されていたりして、 市目線の撮り方という部分ではとても面白い。 浪人との斬りあいのイメージ描写は 北野監督作の『座頭市』でも見られ、 この作品の影響なのかなと思いました。 今回の敵はというとかなりの小物臭がする男ですが、 人質を取って市を追い詰めるあたりは今までとは違う卑怯さ。 なんで今までこの手の奴がいなかったんだろうという、 非道なやつでむしろ斬ってくれといわんばかりの 悪者描写に清々しいものを感じます。 あぁ、こいつなら問答無用で斬っていいわ、そんな感じです。 冒頭で橋で出会った老婆の願いを叶えるために 彼女の娘を見受けしようと遊郭へと赴く市ですが、 そこで働く女中らしき女性の話がメインの話とは 完全に別進行してまして、 市のほうとはまったく係わらずに話が進行していくのも ちょっと珍しい流れ。 いままでなら市がそちらの話にも介入して助けたりするはずなんですが、 ちっとも介入の気配なしとは意外。 市にも限界というものがあって、 誰でも助けられるということではないということなのだろうか。 同じ場所に居合わせたけど、助けられた人、 助けられなかった人という描写があるということが、 座頭市シリーズの今までとは違うわけで、 監督の考えもここに表現されているのかなと思いました。

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