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新座頭市物語 笠間の血祭り (1973)

監督
安田公義
  • みたいムービー 4
  • みたログ 26

4.00 / 評価:12件

血祭りの終わり。+【総括】

  • jig***** さん
  • 2011年12月31日 13時52分
  • 閲覧数 470
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

座頭市、生まれ故郷に帰る。
とうことで、帰ろうか帰るまいか
投げたお金の目で決めるあたり市らしいですが、
こういう描写は実は初めて。
その後も、故郷を後にしようとするも
袂(たもと)が扉にひっかかり、
まだ行っちゃいけないと考える市という描写も
あったりして”何か”を肌で感じるというところが、
いつもとはちょっと違うと感じます。


生まれ故郷の幼馴染に出会う市ですが、
幼馴染は江戸帰りのあくどい商売人で村に眠る鉱石目当て。
それに年貢を集める代官までもが悪人と来たもんだ。
この村も変わっちまったなぁと嘆く市が、
誰のためでもなく”悪”を斬る姿に喝采を浴びせたいです。


善人が斬られる図は控えめで、
悪人が斬られる図はこれでもかというくらいに
派手に容赦なくという画でしたが、
作り手の気持ちがそこに現れていたように思います。
血しぶきの激しさ、斬られ方の凄惨さ、
市の怒りがよくわかる映像でした。


曲も『必殺仕事人』のように戦いに赴くという
雰囲気がよく出ていましたが、
ここまでわかりやすく曲を流す手法は
シリーズでもあまりなかったと思われ、
私が昔見た時代劇の雰囲気に近いと感じました。


タイトルの示すとおり
悪を斬る”血祭り”が見られる
旧シリーズ最後の作品ですが、
市という人物像がブレることなく
シリーズが続いたということは
すごいと感じました。



【総括】

勝新太郎さんの『座頭市』シリーズを全部観たことになるので、
ここで最後に全作品・・というよりかは旧シリーズについて
簡単に感想を述べようと思います。


最初の頃は白黒作品だったので、
古臭い気はしましたが、白黒らしい独特の雰囲気が楽しめました。
その後カラーになってその雰囲気が変わったかというと、
カラーによる色のなつかしさみたいな部分がまた
味わい深いものがありました。
昔の色あせたカラー写真を見ているような感覚ですかね。


居合いの名人という部分でシリーズ通して
色々な居合いの凄さ披露の描写があって、
そこはそれぞれのシリーズ観てみるとそれぞれ面白いと思います。
蝋燭や、イカサマサイコロを斬る描写が多いのは、
市が盲目というところと博打好きというところからなのでしょう。
博打で騙されたと見せつつも逆に騙すなんて手口も
何度か出てきますが、してやったりと観ている側も何気に痛快でした。


市の強さについてですが、
とにかく強いというところはわかりました。
シリーズ通してまともな決闘で彼に傷を負わせた人は
シリーズ2作目の人だけではなかろうか。
後は別の意味でピンチになったりしますが、
まともに彼に傷をつけた相手が居ないというのも
座頭市という人物の伝説なのかもしれません。


殺陣で見せる居合いのすごさ、気迫、
やっぱり勝新太郎さんじゃないと市じゃないなというのは
なんだかわかる気がします。
あの体格、あのしゃべり、あの杖のつき方、
あの仕込み刀の抜き方、一つの形を作っていると感じました。
シリーズが進むに連れて殺陣が派手になったり、
斬新な見せ方になったりと工夫があり、
シリーズを通して観てみても飽きないと思います。


1962年に1作目。それから1973年までに25作品。
その後、1989年に1作品。
旧シリーズの11年で25作品も作られたことを考えると
当時どれほど人気があったのかなと思います。


時代劇が下火と言われる今ですが、
過去の熱かった時代の作品を観て、
こういう作品作ってやるぞという若手が出てきたら、
時代劇はまた面白い局面に入るのかなと
観る側として期待して待ちたいと思います。

詳細評価

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