ここから本文です

不良少女 野良猫の性春 (1973)

監督
曾根中生
  • みたいムービー 0
  • みたログ 3

5.00 / 評価:1件

かんじさん、ねえ石原莞爾さん…

  • bakeneko さん
  • 2019年2月21日 11時37分
  • 閲覧数 47
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

田舎から上京した娘の東京での転落記ですが、定型の悲劇的経過を見せながらウエットな情感を廃した語り口で、無知&無垢なもののバイタリティと生命力を浮かび上がらせている異色成人映画であります。

成人映画の必須要素である“見世物的猥雑性”や文芸的な悲劇性(=女性の哀しさ)を微塵も感じさせない-あっけらかんとドライな作劇が特徴の異色劇で、関西の田舎村から東京に出てきた娘が、家出娘を食い物にする男に騙され、ヤクザに売られ、アングラ劇団に拾われて…という転落劇を淡々と進めてゆきます。
“ああっ こうやってうちは堕ちてゆくのやなあ~”と能天気に自分の状況を客観視するヒロインの気質や、女を食い物にしながらどこか間が抜けていて気の弱いヒモ&やくざの描き方に、(ドラマの様に完全な悪にも善にも悲劇にも喜劇にも偏らない)“現実の人間の体臭”を感じさせる作品で、冒頭からバックに流れるクラッシックの名曲が軽佻浮薄な低俗転落劇と対称をなしています(ロマンチックな「恋人たち」で使われたブラームスの「弦楽六重奏第2楽章」の罰当たりな使い方は大爆笑!)。
また、終盤の半裸の女性劇団による右翼揶揄芝居は、当事復古調だった軍国主義の象徴である石原莞爾と調子に乗ってきていた石原慎太郎を風刺して、低俗とされる成人映画にも良識と矜持があること提示しています。

色っぽい演出を排した猥雑な下品性は、ポルノ映画として求められる方向性と逆の仕上がりとなっていますので、普通の成人映画を愉しみたい方には不向きの異色作ですが、悲劇にも喜劇にも落ち着かない“ふわふわとした作劇”は一見の価値がありますよ!

ねたばれ?
1、戦前の右翼思想の元締め的な人物評が多い石原莞爾ですが、「戦争中言論抑圧を極度にしたるを悪む。これが日本を亡ぼした。後に来る者はこれに鑑むべきだ。又、日本の軍備撤廃は惜しくはない、次の時代は原子力武器が支配する」―と今の政治家やネトウヨよりもまともなことを言っています。
2、そう言えばこの頃は”牛乳は噛んで飲め”って言われていたなあ~

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 笑える
  • 楽しい
  • ファンタジー
  • ロマンチック
  • 不思議
  • パニック
  • 不気味
  • 勇敢
  • 知的
  • 絶望的
  • 切ない
  • セクシー
  • かわいい
  • コミカル
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ