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津軽じょんがら節

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5.0

ネタバレ昭和の東北の情念

最初の映像だけで度肝を抜かれる。高度経済成長に乗り遅れた津軽って、リアルであんな感じだったのかと驚いた。一番近い五所川原の町まで、ボロいバスで二時間って……。1973年の津軽がどんな感じだったかもわかる貴重な映像。荒々しい海が迫る波打ち際に、流木でできたような柵とトタンで作ったような家に住む津軽の人々の生活は、もうそれだけで一つの重いドラマになるだろうと思った。ちなみに、撮影地の現在をグーグルで見たら、きちんと護岸工事と道路舗装がされていて、家も新しくなっていた。しかし、おそらく撮影で使われたであろう廃墟が少し残っていて、あれはやはりセットではなかったのだと驚いてしまった。話自体はヤクザという非日常が絡んでくる。最後の5分くらいまで、主人公の男が新たな故郷を見つけて幸せになりそうな感じで、このままハッピーエンドで終わってくれ、でも、ヤクザ来るんだろうなと思ったら、やっぱり来た。目の見えない女の子役の女優は、この映画のためだけの女優であるかのようにぴったりの配役だった。あれは確かに主人公の男も惹かれる説得力のあるキャラクターだった。昭和映画好きで、昭和の東北の寒村が好きで、せつない女の子好きな人にはおすすめ。

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