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狼よ落日を斬れ 風雲篇・激情篇・怒濤篇 (1974)

監督
三隅研次
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3.43 / 評価:14件

ミスキャスト。隠密に二枚目は似合わない。

  • 百兵映 さん
  • 2015年3月2日 16時07分
  • 閲覧数 545
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

中村半次郎のことだったら別の『半次郎』で観たばかり。それなりに面白かった。(人の人生を面白かったなどというのは不謹慎と思うけど、語弊があるとすれば、興味深く参考になったと言えばよかろうか。)

ところで、本作では半次郎はむしろ脇役に押し出され、架空の人物・杉虎之助の方に目を向けさせている。二枚目の俳優を起用したからこうなるのだろう。モデルが居るとはいうものの架空は架空、架空の人物まで入れて何を言いたいのか分からない。単に、歴史エンタメというのであればそれでいい。その場合にはあまり上等のことを喋らせないことだ。「時代に残された」だの、「生き抜け」だの、架空の二枚目には似合わない。

少しいいところもある。薩長志士の義挙であるかのような通説“維新”史観に乗っていないこと。だから、薩摩のイモ侍を如何にも田舎っぽく(そのままに)描いている。もうひとつ、幕末にはかなりの隠密が活躍していたことをそれらしく描いていること。

隠密、それは情報収集活動のこと、諜報活動のこと。隠密裡にやらねばならぬ。だからそれは下級“武士”でなければならない。郷士がいい、イモ侍がいい、できれば脱藩した浪人がいい。腕は立つ方がいい。幕府だけではない、攘夷の“志士”たちが実はこれだ。

双方の諜報戦略の最後の詰めは錦旗の御旗の盗り合いで、これに勝ったのが薩長連合だった、とそれだけのことだった。

架空の杉さんが実在の薩摩の半次郎さんに、「そんなくだらんことは止めろ」というのは当を得たアドバイスというもの。そのためには、この二人の配役を逆にしたらよかった。それではリアルに過ぎるか、エンタメにならないか。そもそも、二人とも表には出ることのない“隠密”稼業だった。二枚目では勤まらない稼業だったのだ。

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物語
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