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サンダカン八番娼館 望郷 (1974)

監督
熊井啓
  • みたいムービー 76
  • みたログ 183

4.26 / 評価:69件

巧みな二重構造

  • kin******** さん
  • 2019年7月12日 8時26分
  • 閲覧数 1032
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

女性史研究家とからゆきさんのふれあい、そしてそのサキの語る回想、この二重構造になっています。

 回想はサンダカンの町のセットなど、どうしてもチャチだし、また、高橋洋子、田中健のくだりは、平凡なボーイミーツガールで、少々退屈です。浜田光夫が鎌で自分の足を刺すのがどうしても腑に落ちませんでした。
 水の江滝子が登場すると貫禄十分で、一気に引き締まりますが。

 それに比べると、田中絹代と栗原小巻のくだりは、ふたりの演技が素晴らしく、展開も練られていて、引き込まれてしまいます。
 ことに回想がすべて終わってから、「なぜ私の素性をきかなかったの」との問いに、「誰より聞きたかった。だけど、自分から言えないものを、聞けないだろう」と返す、クライマックスとも言えるシーン、翌日、恥ずかしそうに手ぬぐいをねだって、ついに感情を抑えきれなくなり号泣するシーンは圧巻。
 森の中に作った墓が日本に背を向けているエンディングも素晴らしい。

 名作に違いありませんが、撮影がややお粗末。ロケとセットのマッチが悪く、全体のトーンが揃っていません。熊井啓監督の好みなのか、見せ場では俳優のドアップがありますが、生々しすぎて、ちょっと引いてしまいます。病床の水の江滝子など、もっと綺麗に撮ってあげて欲しかった。カメラマンが違ったら、きっと、ずっと良い作品になったと思います。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
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  • 絶望的
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