沖田総司
作品レビュー(2件)
- sei********
3.0点
ネタバレ美少年沖田総司の登場
このレビューにはネタバレが含まれています。 - tra********
4.0点
飄々とし、着流しの姿の草刈正雄がかっこいいぞ。沖田総司=薄幸の美男子ってイメージが彼によって確立されたっていうのはまったく同感ですね。 若干のネタバレあり。 前半は近藤勇、土方歳三とともに、田舎から大志をもって飛び出した青春映画の主人公のようなさわやかな好青年の沖田総司。ところが、総司が兄のように慕い尊敬していた総長の山南敬助が脱走する。そして隊規に従い、総司が山南の切腹の介錯をしたことから、後半の彼は脱走者をどこまでも追いかけ容赦なく切り捨てる幽鬼のような妖しい暗殺者に変貌する。 この前半と後半の沖田総司のギャップが凄いよ。 前半、部下の若手に剣術の稽古をつけている。「敵が大勢きたらどうする?」「死ぬまで戦いますわ」「馬鹿、逃げるんだよ。無駄に死ぬことはない。生きろ」。なんだか言ってることは物騒なんですが、ノリは大学のサークルみたいなんですよね。 「俺はやりますよ…でなけりゃ、何のために山南さんを斬ったか、判らない…」 後半、沖田は脱走者を容赦なく斬りまくる。いつか稽古をつけてやった隊士が脱走した。沖田はそいつを河縁へ追い詰める。その隊士は河に飛び込んで逃げようとし、恥も外聞もなく号泣しながら刀を抜く。 「いやや、生きろちゅたんは沖田はんやおまへんかぁ…死にとうない。おかぁちゃああん…」。 逃げ道がないと悟った隊士は泣きながら抜いた刀を自らの腹に突き立てる。川面にみるみる広がる赤い血、そしてそこにうつ伏せに浮かぶ死体。そのときの沖田の目。ガラス玉のような目で無表情のまま、無言で脱走者の死を見届けるんですよ。ぞっとしました。 そんな男に惚れちゃった娘さんは悲劇だなぁ…「うちを…うちを沖田はんにあげます」。精一杯の勇気を振り絞って想いを伝えると、小走りで走り去る娘さんが初々しい。でもなぁ…沖田を殺そうと狙ってるやつは京の町には大勢いるんだよな…。 こんな感じで結構血なまぐさい映画ですよ。主要人物もどんどんむごたらしく死んでいくし。そうそう米倉斉加年の近藤勇の晒し首がね、昔にしちゃあリアルなんだな。腐りはじめた首ってきっとあんなんなんだろうなぁ。 新撰組も時代に流れに翻弄され、散り散りになってゆく。労咳で死の淵にあるときの総司の脳裏には屈託のない若者の思い出だ。「ああ、土方さん…また喧嘩ですか…待っててください…。すぐに行きますよ…」。 とにかく総司役の草刈正雄は男から見てもセクシーでかっこいい。着流しの懐から見える肋骨の浮き出た胸…あ、いっとくけど俺はゲイじゃないぞ。まあ、そこそこ昔の映画だし、時代劇は苦手って言う人もいるでしょう。でも観てごらん。ゾクっとするから。 今でいったら、草刈正雄のポジションっていったら誰だろうなぁ。ひょろりとした長身に長髪、こけた頬、笑顔と無表情のギャップが大きい…ちょっと思いつかないなぁ。
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