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本陣殺人事件

xeno_tofu

4.0

ネタバレトリックがあって、それを暴く推理映画!!

金田一ブームのころの映画をできる限り観賞中で、行き着いた本作。 推理小説の映画化なら本当は当たり前なのだが、密室殺人のトリックがちゃんとあって、それを暴いていた。これに、おおっとなる作品でした。 (今のところ見ている石坂金田一シリーズや「八つ墓村」の)他の金田一映像作品は、トリックよりも、犯人の情念などを焦点化していて、伝承や言い伝えから来る怪奇性を持ちながらも、本当に恐ろしいのは人間なのだと突き付けながら、どこか憎みきれない人として生きる業に切なさを感じさせる。 これに対して、本作は耽美な映像を駆使しながらも、複雑な人間関係を読み解く金田一ではなく、起こった事件の謎を解く金田一だった。 これは正直、原作に依るところが大きく、金田一が世に初めて登場した「本陣殺人事件」(1946年)の映画化だからだろう。調べると、見立て殺人などの怪奇性を前面に打ち出すのは、次作の長編となる「獄門島」(1947~48年)からだそうで、毛色が違うのは仕方ないことだ。 ということもあって、人間関係も大分すっきりしていて、見やすい。時代設定は公開年の1975(昭和50)年に持ってきているようで、犯行動機はギリギリいけると思うが、令和の世では通用しなさそう。 しかし、中尾彬の金田一はなぜヒッピー風なのか。渡米していた設定からなのだろうか。 怪奇性を求めての鑑賞だと肩透かしを食ってしまうかもしれないが、事前に、金田一初登場作で方向性が固まっていないなどの事情を知っておくと、戸惑いはなくなるかも。本作後に映像化される金田一のベースを感じられて、面白い作品だった。

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