ある結婚の風景

SCENER UR ETT AKTENSKAP/SCENES FROM A MARRIAGE

293
ある結婚の風景
4.4

/ 12

58%
33%
0%
8%
0%
作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(1件)

切ない50.0%知的50.0%

  • Kurosawapapa

    5.0

    ベルイマン監督による史上最大級の会話劇

    (*長文です) 本作は「ある結婚の風景」のオリジナルバージョン(TV放映版)。 約5時間に及ぶ大作! (劇場公開版は、3時間弱に集約されている) 70年代初頭、映画産業が厳しくなり、イングマール・ベルイマン監督が資金調達と作品発表の場を新たなメディア(TV)に求め製作、優れた手腕により高い評価を受けた。 本作がスウェーデンでTV放送された時は、放送時刻まで帰宅しようとする車で交通渋滞となり、 また、ストーリーに触発され 離婚 の件数も増加したそう。 かのウディ・アレンも、本作から多大なる影響を受けたという。 1組の夫婦にスポットをあて、2人の変化をじっくり追いかけた本作は、 50分ごとに区切られた6話のエピソードによって構成されている。 史上最大級の会話劇といっても過言ではなく、 シンプルなシチュエーションに、殆ど画面に2人だけという構図。 夫:心理学研究所の助教授 ユーハン42歳(エルランド・ヨセフソン) 妻:法律事務所の弁護士 マリアン35歳(リヴ・ウルマン) 長回しの連続で、膨大な台詞量をこなした夫婦役の エルランド・ヨセフソン と リヴ・ウルマン には、心から恐れ入る。 第1部:「無邪気さとパニック」 一見、安定した暮らしをしている夫婦、ユーハンとマリアン。 ある日、友人夫婦を食事に招待するが、ふとした言い合いから、友人夫婦間の苛立ちと憎悪が明るみになっていく。 第2部:「じゅうたんの下を掃除する方法」 ・習慣を変えたくないユーハン ・衝動で生きてみたいマリアン ある日、マリアンのところに弁護依頼に来た老婦を介し、  “離婚” “性の不一致” “愛の枯渇” について考えていく。 第3部:「ポーラ」 これまで温厚に見えてきたユーハンが、突然「愛人ができたから別れたい」と告白する。 いつの間にか整然と決められ息もできなくなっていた夫婦関係が破綻する。 第4部:「涙の谷」 半年後、マリアンのもとにユーハンが訪ねてくる。 マリアンは自らの内なるものと向き合い、結婚生活が破綻した原因について考え始める。 第5部:「無知な者たち」 離婚の手続きをしようとする二人。 二人は “夫婦” を積重ね、いつの間にか愛や喜びを失っていた自分たちに気付く。 そして、これまで積もった感情が爆発してしまう。 第6部:「夜中のサマーハウスで」 離婚後、それぞれに再婚していた二人が再会。 優しさ と 経験 をもって接する二人。 二人は “人生” と “愛” について語るが、答えは見つからない。 生涯に5度、結婚経験があるベルイマン監督。 本作にも自身の結婚生活が大いに反映されたであろう、そんな大人の世界を達観したプロット。 赤裸裸に明かされる夫婦関係、卑俗なエピソード、 溢れ出す危機感、そして緊張感。 会話劇のみで構成されているのにもかかわらず、本作は濃すぎるほどに濃い! 半分鑑賞しただけで満腹になるが、それでもなお、その先を見たくなる。 夫婦とは? 愛とは? 人生とは? ベルイマン監督は、様々な形を提示、 しかし明確に結論付けない。 ベルイマン監督の求める “純粋な愛” や “自然な欲求” は、 夫婦の関係を超越しており、夫婦では成り立たないのだと思われる。 原因が分からないまま 苦しさ が増す感覚、、、 夫婦を経験した方なら、誰でもこんな感覚に陥ったことがあるだろう。 本作が謳う通り、人は皆、心の無学者と言えるのかもしれない。 それゆえ 悩み、葛藤し、相手を傷付けてしまうこともあり、、、 夫婦として “経験” を基に、相手や自分の “心” を学んでいくが、 夫婦間というのは同じ事を繰り返す。 “心” というものは、そのまま “体” に取り込めないものなのかもしれず、、、 結婚 そして 夫婦 とは、最後まで試練の学び。 試練に対し、真摯に向き合い続けることが人生なのだと思わせる。 ベルイマン監督の深い造詣と知見に、☆5つ評定です! (INGMAR BERGMAN:No12/14 ) 今作の監督キーワード:「最大級の会話劇」

スタッフ・キャスト

人名を選択するとYahoo!検索に移動します。


基本情報


タイトル
ある結婚の風景

原題
SCENER UR ETT AKTENSKAP/SCENES FROM A MARRIAGE

上映時間

製作国
スウェーデン

製作年度

公開日
-

ジャンル