不毛地帯
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作品情報上映スケジュールレビュー

あらすじ・解説

解説:allcinema(外部リンク)

作品レビュー(25件)

悲しい15.6%不気味14.1%切ない10.9%知的10.9%勇敢9.4%

  • le_********

    3.0

    話があちこちに飛び、一本調子になってしまった憾み

    監督:山本薩夫、脚本:山田信夫、原作:山崎豊子『不毛地帯』、撮影:黒田清巳、編集:鍋島淳、音楽:佐藤勝、主演:仲代達矢、丹波哲郎、1976年、181分、製作:芸苑社、配給:東宝 山崎豊子の長編社会派小説『不毛地帯』の前半に該当する部分の映画化。 壹岐正(いき・ただし)は、帝国陸軍の元中佐で、陸軍士官学校を首席で卒業し、大本営の作戦立案参謀を務めた元軍人である。終戦の詔勅に対し、参謀総長の命令書が出されていない以上武装解除に応じる必要がないとする関東軍への説得のため満州に飛ぶ。直前に出発していた川又(丹波哲郎)の乗る飛行機がソ連に攻撃され、川俣は負傷して途中で帰ってきたので、これに代わり壹岐が行くことになったのである。ところが、壹岐は日ソ中立条約を犯して侵攻してきたソ連軍に拘束され、囚人としてシベリアに送られてしまう。 11年後帰国した壹岐は、その後も二年間、特に何をするでもなく過ごしてきたが、ようやく再就職することにした。就職先は近畿商事という商社であった。社長の大門(山形勲)は、大きな商いとなる航空自衛隊の次期主力戦闘機選定に関し、壹岐の経歴を活かすべく三顧の礼をもって壹岐を迎えた。近畿商事は次期戦闘機として、ラッキード社の戦闘機を推していた。そのころ川又は、自衛隊の空将補となっていた。・・・・・・ 壹岐のシベリア抑留のプロセスや過酷な体験という回想シーンを入れながら、近藤商事に入社してしばらくのようすが前半で描かれ、休憩をはさみ、後半では次期戦闘機選定で実力ぶりを発揮する壹岐の姿が現在進行形で描かれていく。 壹岐の戦いは、ライバル会社のみならず、防衛庁内部や政治家にも及ぶが、その能力を発揮し、きわどいところで次期戦闘機は、近藤商事の押すラッキード社に決定する。川又は防衛庁官房長・貝塚(小沢栄太郎)から、ラッキードを推していたことや、防衛庁内部の機密が近藤商事に漏洩したことの責任を問われ、自殺する。壹岐自身も、漏洩をそそのかした疑いで、警視庁の事情聴取を受ける。そうした経緯もあり、機種選定後、いろいろな策謀うずまく商社の仕事に愛想を尽かしたこともあり、壹岐は近藤商事を退職する。 シベリア抑留の辛い経験と、その実力を買われた壹岐の戦後の活躍がテーマとなっているが、『白い巨塔』や『華麗なる一族』と異なり、壹岐というひとりの人間の「心のドラマ」を中心に描かれていくので、話があちこちに飛びながらも、長編ということもあり、一本調子になってしまった憾(うら)みがある。 シベリア抑留部分は、これでもかなり省略されているようだが、さらに焦点を絞り込み、壹岐と川又、壹岐と家族を二本の軸にして描いたほうがよかったのではないか。長編を脚本に直す苦労は想像されるが、ややダラダラ感がつきまとってしまう。単純にライバル会社や反ラッキード派を壹岐の対象に置けば、たしかに陳腐な構成になってしまうが、エンタメ性が失われてしまったのは残念だ。 ロケやセット、ロシア人の起用など苦労は偲ばれるが、各シーンの並列つなぎになってしまったきらいがある。 また、壹岐の回想のなかに、開戦の最終責任者は天皇であるはずだ、というロシア人将校の言葉があったり、壹岐の娘(秋吉久美子)に、憲法は戦争を放棄したのに戦闘機を買う仕事なんかして、といった台詞があるなど、日本史の肝心な部分にかかわる出来事を、言葉で簡単に主張してしまっては、映像で製作する仕事をする者としては、薹(とう)が立ってきたと言わざるを得ない。

  • tos********

    3.0

    「権謀術数」「百鬼夜行」

    11年のシベリア抑留を経て、壱岐は近畿商事に採用される。元大本営という経歴との関わりを希望してはいなかったが、自衛隊次期戦闘機選定争いに巻き込まる。政官民の「泥仕合」の中、彼は自ずとその能力を発揮するが。  山崎豊子の同名小説の映画化。今観るとロッキード事件をもとにしてると思いましたが、事件発覚はなんと映画製作中。原作すごいな。壱岐の葛藤が自然で、さすが仲代達也。丹波哲郎演じる川又の最後が涙を誘います。

  • par********

    1.0

    山崎豊子にあやまれ

    原作は山崎豊子で、航空戦闘機の汚職事件を描く。ロッキード事件が発覚したのは映画の撮影中だったということだが、恐ろしいほどまでに物語と史実が符号している。 山本薩夫監督にとっては『白い巨塔』『華麗なる一族』に続く山崎豊子の映画化である。『白い巨塔』では橋本忍の整理された脚本に助けれてスッキリとまとまった映画になっていたが、こちらのほうはダラダラと傍流の話が繰り返され、本筋が頭の方に入ってこずストーリーの流れがよく理解できなかった。本筋の汚職事件が散漫になってしまっていた印象だ。 さらによくないのが、根っからの左翼である山本薩夫が勝手な改変を行ってしまっていることだ。冒頭のシベリア抑留では、昭和天皇の戦争責任の追及に始まり、主人公(壹岐)の娘には「日本政府は右翼と暴力団を雇って安保運動を潰させた」と言わせる始末。 映画の演出意図としては、戦争の責任を取らず生き延びた天皇と、気づいたら汚職事件の責任者となってしまった壹岐をオーバーラップさせたかったのかもしれないが、あまりうまく機能してるとも言えず。安保運動の下りなんて唐突すぎて不自然だし、それに政治批判を娘の口から直接言わせるのはあまりに芸がない。あれじゃ山本のイタコだ。 アジ演説をやりたいなら自分の映画でやりなよ、というのが正直な思いである。こんなシーンを挿入する暇があったらもっと本編を煮詰められただろうし、自分の原作を勝手に演説のダシに使われた山崎が気の毒である。 この改変を期に、それまで続いた山崎と山本のタッグは解消されるが、それも当然だろう。 次の山本の大作となる『皇帝のいない八月』も政権批判がしたいだけのひどい愚策だったが、晩年の山本はあまりにも左翼人として振る舞いすぎる。 ポール・バーホーベンが『スターシップ・トゥルーパーズ』でハインラインの右翼的原作をあえて誇張することで、痛烈な全体主義批判として仕上げたのは有名な話だが、作家なら他人の褌で政治主張するにもそれくらいの工夫は欲しいものだ。

  • rky********

    3.0

    昭和という歴史

    ロッキード事件をモチーフのフィクション、しかし歴史のある側面は切り取っている。関東軍の参謀としてロシアで11年間の抑留生活の後に、商社マンとして高度経済成長の日本で働きながら、再び軍需関連の国家事業に関与していく主人公。米国の影の平和ボケの中で経済だけを最優先した戦後日本を、一人の男の矛盾の中で描いている。学校では近代史は教わらないようだが、この映画の内容程度は知らないと、現在の沖縄の心情や、世界の状況把握は出来ない、その意味では平成の若者に勉強教材としても見てほしい。

  • tak********

    5.0

    ネタバレ遠藤憲一の鮫島は至宝。

    このレビューにはネタバレが含まれています。

スタッフ・キャスト

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基本情報


タイトル
不毛地帯

上映時間

製作国
日本

製作年度

公開日
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