青春の殺人者
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作品情報上映スケジュールレビュー

あらすじ・解説

解説:allcinema(外部リンク)

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予告編・動画

作品レビュー(49件)

絶望的15.7%切ない14.9%悲しい12.4%恐怖10.7%セクシー8.3%

  • 伊佐山部長

    5.0

    ネタバレフェミニズムの視点からの再評価が必要では?

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • たーちゃん

    1.0

    ネタバレ共感出来ません

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • つとみ

    4.0

    ネタバレ子どもが考えるほど大人は自由ではない

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • まめた

    4.0

    ネタバレなにもかも濃い

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • アニカ・ナットクラッカー

    5.0

    些細な偶然から後戻りできなくなった青春

    今回取り上げるのは1976年に公開されたATG配給『青春の殺人者』。同年のキネマ旬報ベストテンでは日本映画の1位に輝いた。監督は本作と「太陽を盗んだ男」の2作で強烈なインパクトを残した長谷川和彦。 東京での上映館は日劇(現在の有楽町マリオン)の地下にあった「日劇文化」で、僕は「木靴の樹」を観に行った時に、この映画館を利用したことがある。 ちなみに旧日劇には「サウンド・オブ・ミュージック」「チャップリンの独裁者」「ライムライト」の再上映を観に行った。日劇の建物は戦前に建てられ空襲でも焼けなかったそうで、幼い僕はそうとは知らず貴重な歴史的建造物に出入りしていた事になる。 なぜ日劇と戦争のエピソードを書いたかというと、主人公・斉木順(水谷豊)に刺殺される父親(内田良平)は5年間戦地に行っていたと語り、復員後は自転車に乗ってのアイスキャンディー売りから身を立て、大型トラックのタイヤ修理工場を経営するまで登りつめた人なのだ。戦争を生き延びた父親の生涯が、僕の中でかつて存在した日劇と結びついた。 順と父親の関係は決して憎み合うだけの間柄ではなく、親子の情愛は確かに存在していたはずだ。父親殺しに至ったのは、順の衝動的な性格に戦中世代と戦後シラケ世代との世代間対立、恋人の常世田ケイ子(原田美枝子)をめぐっての価値観の相違、そして季節が夏だった(スイカを切るための包丁が近くにあった)という偶然、そういった複数の要素があったのだろう。 父親は大柄ではないが、髭を生やした肉体労働者らしいガッチリ体型で、顔だけなら原田芳雄の若い頃に似ている。「スナック・キャサリン」の建設予定地で順と相撲を取って引き分けるシーンがあるが、まともにやったら順よりも強いだろう。父親は殺されて当然の人間ではなく、彼なりに息子を愛していたが些細な食い違いが惨劇に発展していくという風に描かれる。 母親(市原悦子)が留守をしている間に息子の凶行が起きる。夫の遺体を見た母親の反応は、最初は現実逃避して順に身を隠すように勧め、ケイ子の話が出るや被害妄想に転じて順への殺意が芽生え、そして最終的に諦めとなって息子の手にかかり死ぬ運命を受け入れる。母子の壮絶なやりとりは一歩ずらせば喜劇のようで、水谷と市原の迫真の演技に惹き込まれる。 親子が不和となる主な原因となったケイ子について書こう。彼女は左耳が聞こえず、その原因は母親(白川和子)からひどく殴られたからである。ケイ子の語る理由は、庭に植わっていたイチジクの実を勝手に捥いで食べたからだというが、そんな些細なことで耳をやられるほど強い力で殴るだろうか? 順の父親は興信所まで使ってケイ子を調査し、「あれは平気で嘘をつく女だ。あの女の魔力に囚われてしまうぞ」と順に別れるよう一方的に命じる。 やはり原因は別にあった。ケイ子は母親の恋人から無理に肉体関係を迫られ、それを母親に知られ殴られたのだ。ケイ子いわく「相手に優しくして下さいと頼んだら、私自身も気持ち良くなって怖くなった」と。こういう事情は他人に軽々しく話せないし、作り話をしたケイ子を嘘つきな悪女と決めつけるのもどうかと思う。しかし順の両親は最後まで理解できなかったのだ。 ケイ子は順の他に頼る人がおらず、両親殺しを知って動揺するものの順と運命を共にする覚悟を決める。両親の遺体はシートとロープで巻かれ、トラック用のホイールを重りにして東京湾に遺棄される。「何だ簡単じゃねえか。バチでも何でも当ててみやがれ」とテンション高く笑う順の姿は、彼の精神的な弱さやいずれ待ち受ける破滅への不安と表裏一体のものであろう。 本作には順の高校時代の同級生・郁子の役で桃井かおりも出演しており、水谷と桃井といえばNHKドラマの「男たちの旅路」を思い出す。順は高校時代に郁子が出演した「磔刑(はりつけ)」というタイトルの8ミリ映画の監督・脚本を担当しており、その全貌も劇中で映される。もし順が大学に進学していたら、映画製作という道に進むことだって考えられたはずだ。 舞台は成田空港が開業する前の千葉県であり、順が経営するスナック・キャサリンは成田市に、惨劇が起きる両親のタイヤ修理工場は市原市にある。市原市では「港まつり」という活気ある夏祭りが写され、貴重な時代資料である。鉄塔から炎が吹き上がる工場地帯の遠景に妙な味があり、観終わった後で思い返すとラストで炎上するスナックの伏線のようにも感じる。 順とケイ子が成田空港反対の過激派を取り締まる検問に引っかかり、順が機動隊員(中に阿藤快がいる)に両親殺しを告白するが全く相手にしてもらえないシーンも、当時の世相を敏感に映していると言えるだろう。 最後に音楽について。洋楽と勘違いしそうなカッコいい英語の歌が流れるが、この曲は後に「モンキー・マジック」や「ガンダーラ」でブレイクするゴダイゴが担当したものである。

スタッフ・キャスト

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水谷豊斉木順
原田美枝子常世田ケイ子
白川和子ケイ子の母
江藤潤宮田道夫
桃井かおり石川郁子
地井武男日高徹
高山千草猟師の女
三戸部スエ猟師の女

基本情報


タイトル
青春の殺人者

上映時間

製作国
日本

製作年度

公開日
-

ジャンル