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或る殺人

或る殺人

ANATOMY OF A MURDER

160

mil********

5.0

ネタバレ法廷で何を裁く

スチュアート演じる弁護士ビーグラーは仕事の依頼が少なく、秘書の給与支払いもままならない。 そこへ、起きたばかりの殺人事件の弁護を依頼される。 嫉妬深い軍人の夫、セクシーで奔放な人妻、カウンターに銃を隠していたバーの主、秘密のあるホテル支配人・・・などなど、ひと癖ある人物がたくさんだ。 敏腕検事との法廷での攻防も見ものだが、スチュアートのニヤケ顔が、まじめな法廷で小気味がいい。 監督のプレミンジャーはそれも計算していたのかしら? とにかく、キャスティングがとてもマッチしている。 そして、法廷のシーンか緩急があり、飽きさせない。 物的証拠が最終的にモノをいうのです。 が、法廷で何を裁いたのだろうか。 それについて首をひねった。 加害者はトレーラーハウスに住んでいる。 当時の軍人の生活についてはよく知らないけれども、トレーラーハウスだ。 ホワイト・トラッシュなのか?と思わせる。 夫のマニオン演じるはベン・ギャザラ。 血の気が多い嫉妬深い夫の役にうってつけだ。 これらの条件を合わせてみても、法廷での欺瞞やタブーに挑もうとした作品といえるのではないか。 なぜなら、検事達は「殺人」にばかり目を向けている。 いや、「殺人」しかみせないようにしている。 物事には原因になる事象があるが、それを無視したいとう法廷。 それが本当に「正義」の番人なのか。 否。 それは明白である。 レイプという言葉を避ける法廷に違和感を感じた。 レイプというものが法廷にはふさわしくないのか。 ガードルをつけない女性は男を挑発しているから、レイプされても仕方ないのか。 当時のレイプに対する人々の考えがよくわかるようだ。 現実、現在もレイプに対する考えについては進歩していないようにも見える・・・。 それについてはさておき。 ラスト。 みなさんは何を感じるのだろうか。 法廷の裁きと生きている人間。 そこの乖離を見るのかも知れない。

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