血ぬられた墓標

BLACK SUNDAY/LA MASCHERA DEL DEMONIO/THE MASK OF SATAN/THE DEVIL'S MASK/REVENGE OF THE VAMPIRE

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血ぬられた墓標
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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(3件)


  • 一人旅

    4.0

    『妖婆・死棺の呪い』と原作は同じでも…

    マリオ・バーヴァ監督作。 ウクライナ出身の作家:ニコライ・ゴーゴリによる短編小説集「ミルゴロド」に収録された一篇「Viy(妖婆)」を、ダリオ・アルジェントにも強い影響を与えたイタリアンホラーの先駆者:マリオ・バーヴァが換骨奪胎して映像化した怪奇譚で、同原作の別の映画化作品であるソ連産怪奇モノ『妖婆・死棺の呪い』(67)とは似ても似つかない作劇となっています。 17世紀のバルカン半島で魔女狩りによって殺された一族の王女が、2世紀後の19世紀に人間の生き血を浴びてこの世に蘇り、自らを死に追いやった一族の末裔に復讐を遂げるべく動き出すという怪奇譚です。 一族の城で完全復活を遂げつつある魔女に、同地をたまたま訪れていた教授の助手を務める青年らが神父の助言を基に立ち向かっていく様子を描いたもので、魔女に肉体を乗っ取られてしまった一族の末裔に当たる若い娘と青年のロマンスを絡めています。 一瞬にして魔女の顔が老け込んでいく“玉手箱”的な映像トリックや、顔面にいくつもの穴が開いた魔女のグロテスクな顔貌、十字架を押し当てた額に浮かび上がる烙印…といった凝った怪奇演出&特殊メイクが見所となった、イタリア怪奇映画の祖:マリオ・バーヴァ監督の最初期作にして代表作となったゴシックホラーで、本作は邪悪な魔女と清廉な娘を一人二役で熱演した英国人女優:バーバラ・スティールの出世作でもあります。

  • big********

    5.0

    上品な怪奇ロマン映画

    この映画すごくきれいなんです。 怪奇映画という枠に入るんでしょうけど、何とも上品さが漂っているんです。 舞台が19世紀のヨーロッパのお城という設定もありますけど、モノクロの効果がすごくきれいに出てるんですよね。 森の中、霧がふわあっと出てきたり、暖炉の火だとか、お城の壁に写る影だとか・・・。 今の恐怖映画と言ったら、音声で驚かせたり、スプラッターだったり、じわりじわりという迫ってくる恐怖をほとんど感じないんですけど、この映画には、私が求めていた「あー、来るぞ、来るぞ」みたいな、そういう恐怖感があるんですよ。 で、何だか雰囲気がティム・バートンの「スリーピー・ホロウ」に似てると思っていたら、やはりティム・バートン、この映画見てたんですよね。 特に、夜の森の中を馬車が走っていく場面など、撮ってる角度もほぼ一緒というか・・・。 とにかく、この映画には怪奇ロマン映画の原点があるって思います。 しかも、やっぱり主人公は美女でなくちゃ。 魔女として処刑された18世紀の姫と彼女に瓜二つの曾孫役を演じたバーバラ・スティールが、悪女と可憐で無垢な女性を見事に演じてましたね。 邪悪な表情と純情な表情と、独特の大きな瞳がどちらにも変化するところがすごかったです。 彼女の立ち居振る舞いもすごくセクシーでした。そういう意味での品性を感じるところが、昨今の恐怖映画とは全く違う印象。 今のスプラッター、恐怖映画にお腹一杯と言う人、恐怖映画の原点に戻るには最高、素晴らしい映画です。

  • ref********

    5.0

    各シーン絵にして飾りたいほど

     古典的名作として名高い本作。    そんな作品ゆえ一体どう紹介しようか 本当に悩む所ですが、たぶんどんな言葉でも やっぱり伝わらないというのが本音です。  ホント「観て」しか言えない。  それほど視覚に訴える作品です。  しかもその訴求力を発揮しているのが 古びた白黒作品だと言う事にまた驚かされますが、 むしろ、絵画で言うところのデッサン力が試される 白黒作品だからこそ監督バーヴァの地力が 如実に表れたのかもしれません。  怪奇譚と呼ぶに相応しい 雷鳴、墓場、古城に魔女といった記号を 時に影で隠し、途端ライトの下で大胆に寄ってみせたり。  そして作品が求める演出のために 駆使される特殊技術の数々。  ワックス、照明トリックといった原初的なそれは 工夫を凝らし、安易なCGでは到底敵わない フィルムの中の「そこにある」という 絶対的な存在感を画面に生み出しています。  どう見せると何がどう見えるか、 完全にその結果を掌握していて、 もう観る人は手品師を前にした観客よろしく ただ誘導されるまま、その結果に驚くばかりです。  一方で肝心の物語はさすがに時代を感じさせる シンプルさは否めません。  けれど、それはかえって誰にでも楽しめるということに ほかならず、むしろその王道的な物語こそ 本作がこれまで愛された理由の一つのはず。  ここはあれこれ言うよりも、 先ずはこの格調漂う怪奇な世界に一歩足を踏み出してみる、 というのは如何でしょうか。  

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