日本の~ボス♪
- bakeneko さん
- 2014年4月21日 22時01分
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井上ひさしが最も才気が迸っていた1969年に書かれた処女戯曲にして最高傑作舞台劇の、1977年の映画化作品で、お話の展開や骨子はそのままにしながら1977年当時の政治&文化&風俗ネタをふんだんに取り込んで改訂しています。言葉遊び、風刺、日本人論、パロディ、ナンセンス、ミステリー、劇中劇(多重構造作劇)、お色気、そしてミュージカル…と様々なジャンルがみっしり詰まった娯楽ハチャメチャ怪傑作で、ATGならではのタブー無視の破天荒なエネルギーを堪能できる娯楽怪作であります。
『ひょっこりひょうたん島』がクレーム騒動によって打ち切られた後、同番組に声優として出演していた熊倉一雄(ヒッチコックやポワロの声でお馴染みですね♡)が主宰する劇団テアトル・エコーに書き下ろした戯曲の映画化作品で、
冒頭の設定説明-“芝居のセリフを言うことで吃音治療するセラピーとしての劇を、全員吃音患者によって上演する”-という構造からして、ピーター・ブルックの怪作「マルキ・ド・サドの演出のもとにシャラントン精神病院患者たちによって演じられたジャン=ポール・マラーの迫害と暗殺」のパロディである本作は、既存の映画や舞台の常識を軽く超越して観客の予想を遙かに上回る大脱線&暴走してゆきます。
緑魔子(全然萌えないストリップダンスが素敵!)、 佐藤蛾次郎、草野大悟、なべおさみ、三谷昇、小松方正、東てる美、女屋実和子、丸山善司、橘由紀、野瀬哲男、山西道広、熊倉一雄、ハナ肇、美輪明宏(なんと普通の男役)らが2~3役をこなしつつ画面狭しと大暴れしている作品で、挿入される音楽シークエンスや楽曲も一生耳に残る迷曲揃いであります(イロハのいの字はこう書くーの♡)。
ちょっとお色気場面ありますのでお子様はご遠慮頂いて、日本映画&劇団が最もアナーキーで活力に満ちていた時期に生み出された大怪作に刮目せよ!
ねたばれ?
子供本の大ベストセラー“あいうえおうさま”の元ネタは本作だったのか!(嘘)
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