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原子力戦争 Lost Love

tet********

3.0

【良い】ATGは詰まらないと思ってた

田原総一朗が原作だし、3.11の後だから、あまり興味の無いATGだけど見てみました。 結論、食わず嫌いでした。面白い。 社会派映画が苦手だから、そういうタイプの映画だったら嫌だなと思っていた。だけど、純粋な娯楽作品として成立してて良かった。 また、ATGだから低予算だから、この程度の映画に仕方なくなりましたという逃げもない。 原田芳雄の演技が上手いのか下手なのか、なんてことはどうでも良くて、原田芳雄のスター性が映画を引っ張る。 風吹ジュンは、まだ上手くないけど、これまた、この映画の役に合っている。若さが、そのまま魅力に転化してる。 CMで有名なモデルの山口小夜子。演技よりも存在感。別次元の世界に住んでいるような感じ。キャスティングの勝利。 原田芳雄が893まがいということで、佐藤慶のジャーナリストの方が感情移入し易いけれど。さてさて。 この4人で芝居が回っているところは文句なし。 まさに、70年代の空気感の中にタイムトラベルしてしまう。逆に言うと、70年代の空気を吸ってない人間には感動は少ないかもしれない。 だけど、名優の浜村純とかを使った家族シーンは、いかにもテレビドラマ演出でゲンナリしてしまう。他のシーンとの落差が酷い。みんな棒立ちでセリフを喋ってる。 実際の原発に突撃撮影の部分は、カメラの存在が露わになって、映画的には疑問符もある人もいるだろうけど、虚構の中に実際の原発の警備員が飛び込んできて、原発自体の異常性を告発していて良いシーンだと個人的には思う。 まあ、原発の警備員なんて、○○電力の社員じゃないんだろうけどね。 エンターテイメントに必要なのは憎々しい悪役だけど、この映画は現実社会の悪役を上手く使っている。 ○○電力(私は東電と読み替えていたけど)、利益を受ける地元の漁民等の住民、地元のヤクザ、電力会社擁護の学者。 こんな素敵な悪役達が登場する映画は、久々に見たような気がする。 映画製作のみなさん、仇役に困った時は、○○電力や原子力村を悪役にすれば、当分の間は成功しそうですよ。

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