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曽根崎心中 (1978)

監督
増村保造
  • みたいムービー 12
  • みたログ 89

3.83 / 評価:29件

死んで花実が咲くものか

  • Shoko さん
  • 2011年12月26日 15時26分
  • 閲覧数 1938
  • 役立ち度 9
    • 総合評価
    • ★★★★★

5月に大阪の「お初天神」露天神社にいったことから、曾根崎心中というお話に興味をもちました。
近松門左衛門の人形浄瑠璃の作品とは知っていましたが、ネットで映像をみつけて、はじめて生き生きとした物語として感じることができました。


一度に全部見ることができなくて、けっきょく鑑賞するのに半年もかかりましたが、それでも最後まで見届けることができたのは、二人の切羽詰まった想いを放っておけない気持ちになったからかも。


まずはじめに気がつくのはお初と徳兵衛の芝居がかった節回し。
まるで舞台のような、大げさで直接的な口調は、近松の文楽作品だということを意識してのことでしょうか。


そしてお初役の梶芽衣子さんのまっすぐな迫力のある演技に、あぁ、こういう一途すぎる直情的な若い女の子の想いが心中につながったのかと妙に納得してしまいます。


それにしても梶芽衣子さんは本当に美しい。
お初天神の像や文楽人形のイメージとはまったく違う、心を奪われるような妖艶な美しさ。
遊女とはいえエレガンスがあるし、様々な着物の色合わせ、着こなしにもはっとします。
こんな人に「はよう、わしを殺して」なんて切望されたら、徳さまもやらないわけにはいかないよねぇ。


死にとりつかれたお初にうながされるように心中へとすすむ徳兵衛さんは宇崎竜童。
宇崎さんはカツラが似合わない。
宇崎さんがこういうセリフまわしをすると、わざとじゃなくて、芝居が下手なのかと思っちゃう。
宇崎さん、かっこよくない、、。


でも最後までみると、徳兵衛の垢抜けなさは監督のねらいどおりなのかもしれないなって。
女の情念にひきずられてしまうシンプルな男。
もちろん「男の面目」「女の哀しさ」「義理と人情」との板挟みという近松作品のテーマは描かれていますが、観賞後に心に残るのはこの心中にいたる二人の緊迫感や心情なのですよね。


とはいえ。
私は心中を美化するのはやっぱり嫌い。
心中場面の血まみれも凄惨だし、、絶対こんな風にきれいに終われるはずないもん。
それで仏像や石像がでてきて、こんな音楽がかかって、二人の行為が浮かばれたような描き方は肯定する気持ちになれないなぁって、観賞後、ちょっと落ち込み。


最後に、橋本功さんの悪役ぶりは最高でした。
絵に描いたような悪者!さすがです。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 絶望的
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