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子育てごっこ

bakeneko

5.0

ネタバレ加藤剛&加藤嘉おおあばれ!

三好京三の原作を今井正が映画化した作品で、岩手県の分校の教師夫妻とひょんなことから預けられた“未就学児童”の葛藤と絆を描いて(今井正らしい)“人間の真っ直ぐな成長”に感じ入る映画となっていますが、2大俳優の“大暴れ”怪演が別の見所として唖然呆然&爆笑の怪作ともなっています。 加藤剛&栗原小巻が働く東北の分校で、偶発的に預かることになった11歳の未就学児童の女の子を“社会生活できるように修整する”奮闘を豊かな自然と郷土芸能をふんだんに取り込んで描いた“教育ドラマ”ですが、従来の今井映画の特徴である“瑞々しい子供の躍動”を見せながらも、鈴木尚之のベタベタな“感情演出脚本”によってちょっと変な風合いになっています。 何と言っても両加藤の怪演合戦が凄い! 「砂の器」では、子供への想いに観客を滂沱させたのに~ 加藤嘉の-いかにも“学者(=○ちがいであることが納得される職業)”然とした我儘勝手のやりたい放題と、 「忍ぶ川」では一途な薄幸カップルを応援したのに~ 加藤剛の―DV亭主と化して栗原小巻や子供を殴る暴力教師ぶりに、 観客はびっくり仰天する作品で、それぞれの子育て理論(放任論vs鉄拳躾)についても、 “どちらも同じくらい両極端で変!=過ぎたるは及ばざるが如し”と呆れさせるのであります。 それでも、協調行動や他人へのおもいやりの欠落した子が次第に友人の輪に入っていく光景は、若草の成長を観る様な清新な心地がしますし、先生と子供の葛藤&奮闘を見せて「奇跡の人」や「野性の少年」のドラマ性を彷彿とさせます。そして、東北の自然の美しさの中に人間の絆の構築を見せて、ラストシークエンスは「大樹の歌」と相似形を成しています。 (自然体&醒めた知性的視点が特徴の水木洋子脚本と異なる)鈴木尚之の感情過多の作劇と男優の“張り切り過ぎ”に、往年の今井映画の押さえた演出のファンはちょっと戸惑わされますが、岩手県の自然の中に子供&教師の成長を見つめた良作であります。 ねたばれ? 1、いくら東北でも8月に“里の秋♪”は歌わないと思う。 2、起きて直ぐ職員会議をしなくても!

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