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天使の欲望

mik********

5.0

ネタバレ大傑作です

津軽から上京した姉妹、仲の良かった2人の間にふとしたきっかけで憎悪が生まれ、ついには殺し合いにまでなる。終盤の全裸での格闘シーンは凄い。 でもこの映画、ただのエログロバイオレンスではない。しっかり者で美人の姉、田舎丸出しの風変わりな妹、対照的な2人の女性の裏と表の顔が、周囲の風変わりな登場人物(娘を邪険に扱う淫乱の母親、同性愛者でありながら幸福な家庭を欲しがる姉の見合い相手、患者に麻酔を打ち犯す産婦人科医、知恵遅れの産婦人科医の息子など)とともに興味深く描かれていて引き込まれる。特にそのときの気持ちを短歌に詠む妹、姉を慕う心情が、憎悪から殺意にまで変わる経緯は戦慄を覚える。ラストに流れる津軽三味線の響きも余韻に残る。 また個人的には姉を演じる結城しのぶが実にいい。一見聖女でありながら、淫靡を兼ね備える魔性、あの小ぶりな乳房も昭和の匂いがしていい。天使ならぬ私の欲望を満たしてくれました。結局エロなのかな。どちらにしても早くDVD化してほしいです。 邦画界斜陽といわれた30年前にひっそりと公開された低予算の小品であるが、いまだに語り継がれるこの映画。今邦画の興行成績は洋画を抜いたといわれるが、30年後にまで記憶される作品はどれくらいあるのだろうか。

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