レビュー一覧に戻る
ルパン三世 カリオストロの城

ルパン三世 カリオストロの城

The Castle of Cagliostro

100

sak********

5.0

ネタバレ万国旗がするする出てくる場面について

クラリスとルパンの最初の会話。「どなた?」「泥棒です」から、「今はこれが精いっぱい」と言って、するすると万国旗がでてきて、二人顔を見合わせて「クスッ」まで。ここのシーンは、本当にすごいと思う。 このお話は、本当にあっという間にクラリスは泥棒に心を許してしまう。でも、そのことが不自然じゃないどころか、とても素敵なことのに感じられてしまうのは、このシーンの力なのだと思う。ルパンの人を食ったような、何事にも動じずにへらへらした軽薄さに隠して、真剣さや誠意みたいなものをうまく滲ませるのだ。例えば、こんなセリフ。 ああ、何ということだ。その子は悪い魔法使いの力を信じるのに、泥棒の力を信じようとしなかった。 もちろん、泥棒の力なんてものをたやすく信じる人などいないのだけれど、信じられないものを今は信じてほしいのだ、という真剣さを、ユーモアを装って台詞に込める。もちろん、そんなユーモアは今のクラリスの心には届かない。彼女はそれどころではないのだ。でも、そのあとの「一輪のバラ」から「万国旗」までの畳みかけで、クラリスは寄り切られて、思わず笑う。ここでの笑顔は、負けである。泥棒の力を信じてみてもいい、信じたい、という心理に変わったのだろう。そういう二人の関係性の急激な変化を、見ている私たちはいつの間にか理解している。本当にすごいなぁ、と思います。なんであんなむさくるしいオジサンの頭の中から、こんな素敵なやり取りが出てくるのだろう。

閲覧数734