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火の鳥2772 愛のコスモゾーン (1980)

監督
杉山卓
  • みたいムービー 4
  • みたログ 104

3.71 / 評価:31件

観る人を選ぶ大傑作

  • xdh***** さん
  • 2016年7月2日 1時54分
  • 閲覧数 684
  • 役立ち度 9
    • 総合評価
    • ★★★★★

1980年公開。自分は試写会にも当たって行った。もちろん当時、映画館で20回くらい観た。一つの映画を何度も観に行ったのはこの作品が初めてだったように思う。自分は熱狂的な手塚治虫信者である。自分にとってはこの作品は本当に大切な素晴らしいものなのであるが、世間での評価は残念ながらさっぱりのようである。

この作品は多くの映画を観て、ミュージカルが好きで、手塚治虫の漫画が好きで、地球の将来に不安を感じながらも自分なりに一生懸命生きて行こうというようなそんな人々にとっては最高の作品と思う。

しかしながら、観客として来る人々はミュージカル的演出なんて別に望んでいないし、皮肉にも手塚治虫が広めたリミテッドアニメに慣れた眼には、フルアニメに近い動画なんてどう見たら良いか分からないのだ。

この作品は、本当に意欲作である。商品ではなく作品そのものなのだ。だからこそ絵描きである自分は涙する。もちろん、無難に商品を作る事も出来たはずだが、手塚治虫はそれを良しとしなかったのである。

そのため、この作品の作画には少なからず破綻がある。要するにミスが多い。それをもってしてこの作品の完成度が低いと言う意見もあるようである。

要するに、この作品の良い部分を気にするか、悪い部分を気にするかで、当然ながら評価は大きく変わって来る事になる。

しかし、ヒロインのオルガの美しさを観よ。画面上を躍動する彼女の活躍。そして悲しみ。そこにつけいる火の鳥。愛と哀しみ。そして勇気。

この作品は手塚治虫にとって総力戦の体制で臨んだ、きらきらしたものがいっぱい詰まったおもちゃ箱のようなフィルムなのである。そのきらきらしたものの意味が分かる者にとってはまさに宝の山。特にピンと来ない人々にとってはあちこち破綻した陳腐な作品という事になろうかと思う。

完成して36年経って、自分にとってこの作品の価値は衰えるどころかむしろ増している。かつて見逃した素晴らしいものが今はもっと理解できるようになったからである。

この作品を時々観なおすために、DVDが出てくれているのは有り難い。でも、なんでステレオ音声じゃないのだろうか。その辺はちょっと不満が残るところだ。まあ、いずれステレオ版も出して頂きたいものである。

この作品は、宮崎駿のフィルムのようなまとまりは無い。しかし、宮崎駿がついに到達しえなかった奥深い世界が広がっている事が、分かる人には分かるはず。

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