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ヒポクラテスたち (1980)

監督
大森一樹
  • みたいムービー 22
  • みたログ 206

4.02 / 評価:57件

ぼくとぼくらと彼らたちの映画

  • まんだよつお さん
  • 2017年10月14日 15時10分
  • 閲覧数 439
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

何歳になろうと、どんなに爺さんになろうと、上映されている映画館があれば、這ってでも観に行きたい映画。

若い頃に観て感動した映画の中には、歳を取って観直してみたら、「あれっ?」て感じてしまう映画が少なくない。特に「青春」と呼ばれる一時期をテーマにした映画にはそれが顕著であると思う。映画と初恋の相手が似ていると言われる所以なのかもしれない(再会して幻滅するよりは、初恋の相手は思い出の中においておくのがいい、ってことだろうか)。

公開以来、何度となく観たこの映画。フィルムの上に焼き付けられた若者たちの姿はそのままだが、ぼくも彼らも相応に歳を重ね、世の中も大きく変わってしまった。社会を糾弾していた長髪の若者はトラベルミステリの「警部」に転向し、子連れの年長インターンは巨大不明生物に対応する時の政府の「官房長官」にまで昇りつめた。みずからの手で命を絶った者を含め、鬼籍に入った役者さんも多い。幸せな家庭を持ち、充実した役者人生を歩んでいる「蘭ちゃん」は今でもぼくのアイドルだけど、仲間の一人は若くして天国に召されてしまった。舞台になった京都の街も様変わりし、医療をめぐる環境も変化してる。タバコを吸いながら議論し、酔っ払っては殴り合うような若者の姿を見ることもなくなった。

すべては変わる、人も時代も……。

でも、それだからこそ、ぼくはこの映画を観続けたいと思う。取り巻く環境こそ異なるものの、かつてぼくにも、あっちに行っては頭をぶっつけ、こっちに行っては頭を小突かれ、右往左往していたこの映画の若者たちと同じような一時期があった。決して戻ることはできないけれど、観るたびにあの頃を思い出させてくれ、流されていく自分を立ち止まらせてくれる映画。あの頃を「青春」なんて呼んでしまうほどに情けなく年老いてしまったぼくだけれど、そう、この映画は、まさに、「ぼくとぼくらと彼らたちの映画」なのだ。

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