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ヒポクラテスたち (1980)

監督
大森一樹
  • みたいムービー 22
  • みたログ 203

4.14 / 評価:54件

そして医師になる

  • pin***** さん
  • 2018年7月29日 11時36分
  • 閲覧数 271
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

昨日、シネヌーヴォで鑑賞。大森監督のトークショー付き。

上映終了後のトークショーでの監督の言葉。
「本作を作るまえ、自主制作をやっていて・・・その上映会後に質疑応答とかあるわけですよ。そこで、こういわれました『大森さんって、映画をやめても医者で喰っていけるんでしょ。僕らはそうはいかない。』って。その瞬間、思ったわけですよ『何をぉぉ。そんな簡単に医者になれるかぁ。そういう映画を作ってやる』って」


古尾谷雅人、内藤剛志、阿藤海、斉藤洋介・・後に名優と呼ばれる人達を、よくもまぁこれだけ無名時にそろえたものだ、とその目利きに感心する。
ポテンシャルを持ちながらも俳優を目指してもがいている無名な彼らが、医師を目指してもがいている医学生を演じる。それを、医師を断念してプロの監督を目指してもがいている大森監督が撮る。
本作の魅力はこの多重構造のもつエネルギーにつきる。


本作は商業映画として完成度は発展途上の部分が多い。
大森監督が自主制作映画出身なのでカメラワークやセリフ、演技指導もその延長線上にある。またATGなのでお金がかけられない(それでも、本作は破格の4000万円だとか)。
ただ、大森監督が凄いのは、無名の卵たちがふ化してブレイクするには、その道の名人が競演することで、先達の熱量を利用するのが一番効果的と言うことを知っていた事だろう。
これは映画好きの大森監督が「ゴッドファーザー」や「スターウォーズ」から学んだことなのか、それとも医大生としての経験なのかわかりませんが、的を射ている。

医師で漫画家の手塚治虫。医師でミュージシャンの北山修(大森監督と同じ京都府立医大出身)。
俳優陣は、原田芳雄、渡辺文雄、森本レオ。
映画監督の鈴木清順。
いずれもカメオ出演程度だが、そこには重要な意味がある(能力の高い人とは短い出会いであっても学ぶことは多い。ちなみに手塚先生にはダメもとで頼んだら「この日なら1時間ぐらいなら時間を作れるよ」と快諾してくれ、当日1時間で撮影を終え、自身の職場に戻られたそうな。カッコえぇわ。おかげでベレー帽を被っていない手塚治虫という貴重な映像を観ることが出来ました^^。)。
医師であれ、役者であれ、映画監督であれ、プロの職業人を目指すのであれば、(1)基本スキル(2)(1)を向上させる日々の努力(3)自身の行為から起こった結果から逃げない覚悟。が必要である。また、個人でだけで悩む必要はなく先達の知恵は借りるべきである。
そしてプロになる。


本作は死ぬまでにもう一度映画館でみたい作品だったので昨日は大満足でした。
しかも、フィルム上映だったので公開当時とほぼ同じ条件でみることが出来て良かったです(フィルム世代の自分には、映画を観る環境がフィルムかデジタルかというのは、例えるなら・・。モネの「日傘をもつ女」をオルセー美術館で現物を見るか、大塚国際美術館で陶板画をみるか、位の差がある)。

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